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2006年7月26日 のアーカイブ

今更ながら、高橋悠治がおもしろい・・・

 
 
今日は、経済同友会の暑気払い会食会で仕事は終了。めずらしく早めに帰宅して、仕事のメール・チェックの後、CDを取り出す。先日、タワーレコードで購入したまま封を切っていなかった作曲家でもありピアニストである高橋悠治の再発売CDを聴くことにする。
 
高橋悠治は、桐朋学園作曲科を中退後、クセナキスに学んだ。どうしても現代作曲家というイメージが強いが、彼のバッハ演奏は、グレン・グールドも真っ青の個性的なもの。
 
まずは、1976年録音の「ゴルトベルグ変奏曲」。全変奏曲を一気に疾走する特徴ある演奏だ。2004年のAvexレーベルへの再録音より、研ぎ澄まされた知性が前面に出ていておもしろい。
 
次に、「フーガの[電子]技法」。バッハのフーガの技法BWV1080からの7曲を、シンセサイザーで演奏したもの。ライナーノーツに、高橋悠治自身の言葉で、「音楽はだれのものでもない。音符をたどることでも、作曲家の意図に従うことでもなく、何かを発見することだ。」とある。彼にすると、「バッハが自分で演奏したものは、彼のやり方に過ぎない。」ということ。
 
後に、このフーガの技法を自筆譜による初期稿を使いピアノ演奏で録音したCDでは、複雑化していく音の配列を精緻に辿るよりむしろ温かみのある演奏だったが、このシンセによる演奏は、高橋悠治の原点と言えるかも知れない。
 
そしてもう一枚、これは、TOWER RECORDS VINTAGE COLLECTIONから、高橋悠治作曲の作品集、「YUJI PLAYS YUJI」。キーボードを使った作品の新鮮な響きは、バッハ演奏を聴いた後の私には、何故か非連続曲線を感じてしまう。
 
 
今更ながらではあるが、高橋悠治がおもしろい・・・