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フルベンの「バイロイト第九」問題

 

指揮者フルトヴェングラーの「第九」演奏録音は10種類存在し、その上各社が独自のリマスタリングを行っているためその復刻CDの数たるや40数種類に及んでいるらしい。フルベンの熱狂的な信者は同一演奏公演の違うレーベルのLP/CDの音質の良し悪しを議論している。「フルトヴェングラーCDレビュー」ブログは貴重な情報源として私も愛読させてもらっいています。私自身決してフルベン信奉派ではないんだけど、現代の指揮者は決して持ち合わせないカリスマ性とアゴーギグの効いた想定範囲外な演奏スタイル(これを精神的に深い演奏と呼ぶこともいる)が、時に私の感性とピタッとはまることがある。その典型がブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」。改定版を用いたことだけでブルックナー演奏の固定概念から外れたみたいな批判もあるけど、1951年10月のウィーン・フィルとの録音は愛聴している。(特に同月22日のシュトゥトガルトの公演ではなく29日のミュンヘンでの録音は私のベスト盤。)

1951年と言えば、かの有名な「バイロイトの第九」と同年。第二次世界大戦後再開されることになったバイロイト音楽祭のオープニング(1951.7.29)を飾ったベートーヴェンの「第九」(東芝EMI)はこれまで時代が変わっても同作品の代表盤として君臨しつづけていました。その「バイロイトの第九」に別音源が存在したとは・・・バイエルン放送局が所有していた放送用音源からフルトヴェングラー協会を経てORFEOレーベルが正規リリースした「第九」は私にとってこのクソ忙しい年末の大事件となってしまった。

   img6

これまで聴いていたEMI音源とは演奏が明らかに別モノ。それじゃ、どっちかに偽装問題あり? いや巷の議論を総合するとこれまでのEMI音源はゲネプロ(当日コンサート本番前の舞台でのリハーサルのこと)と本番の両音源をミックスしたものではないかというもの。第1楽章42小節にノイズとして聴こえる聴衆の咳払いだけでも違いは明らか。もちろんテンポ感とダイナミズムも微妙に違う。現代の指揮者ならリハも本番もディジタル的にほぼ同じ演奏が出来るんだろうけど、そこはフルベン先生、毎回違うテンポで進行する。もちろんこの2種類に100%同一とみられる演奏箇所もたくさんある。考えられるのは、(バイエルン放送局を信じるなら)EMI音源は制作時にゲネプロ音源との差し替えとか故意なダイナミックスの変更とかかなり人工的な手を入ったということ。もちろんこのバイエルン音源がゲネプロまるごとということもあり得る。今まで神かベートーヴェンかフルベンかと信じ聴いてきたEMI盤「バイロイトの第九」が当日の公演本番のありのままを伝えていないとなると、ちょっとショック・・・今までEMI音源の復刻品質ばかり議論されていたのは何だったの??? 音質、ダイナミックなスケール、そして完成度から、私は迷わず今回のORFEO盤を採る!!!

 

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コメント / トラックバック2件

  1. Unknown

    お邪魔します自分はフルトヴェングラー教の信者ではないので「いいものはいい」「悪いものは悪い」と思っているのですが、バイロイトの第9についてはあまり感動的とは思いませんでした。今回の平井さんのブログを読ませていただきまして一度「ORFEO盤」を聴いてみたいという気になりました。今度の演奏は自分の心に響いてくれると信じております。どれが本番でどれがゲネプロかは論争になっていますが、50年も前の事正直分からないと思いますので聴こえてくる音楽が感動的であればよしとしたいと思います。それでは失礼いたします。

    2007年12月28日 4:13 PM

  2. Yasufumi

    やったくんサン、コメントありがとうございます。是非ORFEO盤を楽しんでみてください。おっしゃるとおり、音楽には真実しかなく、感動が全てだと思います。でもその背景を詮索するのも一ファンとしては楽しいものです。ブログ拝見しました。これからちょくちょくお邪魔してみます。

    2007年12月31日 10:51 AM

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