人生を豊かにする音楽・居酒屋・旅にまつわる気ままなブログ

10月, 2009 のアーカイブ

六本指のゴルトベルグ

 
第25回講談社エッセイ賞を受賞した青柳いづみこさんの「六本指のゴルトベルグ」(岩波書店刊)を題名に惹かれて買って一気に読んだ。 ゴルトベルグとはJ.S.バッハの「ゴルトベルグ変奏曲」のこと。東京芸大とフランス国立マルセイユ音楽院で学んだピアニストである著者が、「羊たちの沈黙」のハンニバル・レクター博士には、左の中指が2本あって「ゴルトベルグ変奏曲」をハープシコードで好んで弾いていたという行から始まる。古今東西の様々な小説に登場するクラシック音楽が作品の中で意外と重要な役回りを担っていたことがよく分かる。最近巷でブームとなっている村上春樹の「1Q84」にもいきなり、ヤナーチェックの「シンフォニエッタ」が登場していたなあ。
 
時々ピアニスト、職業音楽家としての愚痴も聞けて共感する場面が多い。読み進むうちに著書の中で紹介されている小説が無性に読みたくなる。文体も美しく井上ひさしや東海林さだおらが評価したこともうなづける。バッハのゴルトベルグ変奏曲は、アリアに続いて30の変奏曲から構成されているが、この作品も30章からなるのは偶然か・・・
 
   六本指のゴルトベルク
   六本指のゴルトベルク
岩波書店 2009-02
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前述の「羊たちの沈黙」のレクター博士は囚人の身となった時に、「グレン・グールドの弾くゴルトベルグ組曲を差し入れてくれ」と頼むらしい。もちろん、この作品をここまで有名にしたグールド功績は偉大だし、その演奏は神懸かっている。ホントならグールドの弾くゴルトベルグ(1955年のセンセーショナルなデビュー盤か、晩年の1981年の再録音か、はたまた珍しい1954年のカナダ・ライブ盤か、悩むところだが・・・)を聴きながら秋の夜長に青柳いづみこさんのエッセイを読むとハマるのだろうが、私は敢えてそうせず、坂本龍一のピアノ「Ryuichi Sakamoto Playing the Piano 2009」を選んだ。4年ぶりのピアノ・ソロ・ツアーでの500曲以上の演奏から、教授自らがセレクションした28曲が収まった新譜だ。透明感があり、時にサティを思い出させたり・・・ゴルトベルグ変奏曲は本来不眠症の伯爵のために書かれた作品だが、教授のピアノ演奏もバッハに負けない作品集だ。読書や安眠対策にどうぞ。

  

 

 
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ささやかな楽しみ

 
食欲の秋の夜長。土曜日は行きつけの横浜駅西口「味珍」で常連さんたちとのたわいもない会話でリラックス。そろそろ煮込みのおいしい季節。9月から翌年5月頃までの限定メニュー。ここの煮込みは数に制限ありで遅く行くとSold Outの時も多い。少しおろしニンニクを入れて、私のレシピは京都原了郭の黒七味をふりかける。単に辛いだけでなく、味が引き締まり奥行きが増す。普段は普通の七味がお店に置いてあるのだが、"マイ七味"(これ以外にも柚子胡椒のタバスコ・バージョンとも言える九州の"ユズスコ"も・・・)をお店に置かせてもらっている。この日は偶然、スタインウェイの調律師さんがお隣に。「カラヤン時代のベルリン・フィルのピッチは447Hzあって、アバドの時に445Hzに下がったんだ」なんていう話を伺いながら静かに(お店そのものが静かに呑むところなので・・・)盛り上がる。 
 
帰宅して小腹がすいたので、我が家の"お取り寄せ"人気ナンバーワンの徳信の鯵茶漬けを食す。島田紳助の「深イイ話」で紹介されていたのを家内が見つけてオーダー。放映当初は注文して3ヶ月待ちだった。一袋200円というお手軽さもいい。まるで料亭のお茶漬けが自宅で楽しめる。鯛茶漬けもあるので、こちらもお試しあれ。 
 
 
 
 

俊友会管弦楽団第44回定期演奏会

 
ブログ更新が遅れたけれど、先日の日曜日は私が所属する俊友会管弦楽団の定期演奏会が池袋の東京芸術劇場で開催された。ラヴェルの「ラ・ヴァルス」、チャイコフスキーのバレエ音楽「くるみ割り人形」第2幕、そしてメインはR.シュトラウスの「ばらの騎士」組曲という意欲的でかつオシャレなプログラム。どれもワルツと関わる作品だ。
 
 
 
限られたリハーサル期間ではあったが、演奏しながら三作品三様の面白さを味わうことができた。弾けるところは弾けるけど、弾けないところは弾けない・・・そんな開き直りも功を奏したかな。やっぱ、本番は楽しい。