人生を豊かにする音楽・居酒屋・旅にまつわる気ままなブログ

4月, 2011 のアーカイブ

晴れ晴れ日曜日のマーラー


昨日の大雨と打って変っての日曜日、東京は素晴らしい天気。朝から爽やかな一日に相応しいCDを聴こうと取り出したのが、フイリップ・ヘレベッヘが自ら主宰する古楽器オーケストラ、シャンゼリゼ管弦楽団とともに自主レーべルを立ち上げリリースしたマーラー交響曲第4番。一点の曇りもない透明感と同時にマーラーらしい奥行きとしっとりした響きでマーラーのエレガンスとエスプリを見事に伝えてくれる。近年の同作品のベストと呼んでよいだろう。このブログ1,000記事投稿記念にこのCDを紹介できたことはうれしい・・・お昼過ぎたら冷えたビール片手にもう一度全曲聴こう。

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有川浩の「阪急電車」

最近Facebookにはまっているため久々のブログ更新となった。先日飲み友達でもある鶴見の某高校の英語教師Kさんから「阪急電車」を紹介してもらった。有川浩さんの小説の話である。

阪急電車 (幻冬舎文庫)
阪急電車 (幻冬舎文庫) 有川 浩幻冬舎 2010-08-05
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梅田と三宮を結ぶメジャーな神戸線ではなく、全部で8駅片道15分の今津線を舞台にした様々な人間模様 – 勤め人の男女、学生の恋人同士、恋に疲れた女性、おばあちゃんと孫娘、女子高校生グループなど - を人間らしさの価値観で綴る。駅名の章立てで折り返して計16章、一駅一話完結の短編かと思いきやそうじゃない・・・数々のエピソードは章を超えて絡み合い、主役を交替しながら電車の進行と共にジグザグ連鎖しているところが面白い。巻末の児玉清の解説読んで有川浩さんって女性だと知った。素敵な出会いと人間模様、世知辛い東京の電車じゃないだろうなぁ。。。ところで、関東と関西ではホームでの表記が違う。「つぎの電車」と「こんどの電車」か、「先発」と「次発」か。紛らわしいよね。

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チョン・ミュンフンのロマンティシズム

3月15日にサントリーホールで予定されていたチョン・ミョンフン指揮チェコ・フィルーモニー管弦楽団による東芝グランドコンサート2011が東北地方太平洋沖地震被害の甚大さと聴衆の安全を鑑み中止となった。賢明な判断だと思う。そのコンサートにご招待くださった東芝社から当日配布予定だった公式プログラムと、同コンビが先月に同楽団の本拠地であるプラハ芸術の家ドヴォルザークホールにて行ったプラームス交響曲第4番のライブ公演を収録したCDを送ってくださった。レコード芸術4月号のPRE VIEWコーナーでも”フルトヴェングラー以来の名盤”と断言されていただけに、贈って頂き大感謝・・・

そもそも私はチェコ・フィルはボヘミアの香り豊かなどちらかというとローカル色の強いオケと認識し縁遠かった。もちろん、ドヴォルザークやスメタナ作品においての元祖家元的な音色は素敵なのだが、LP/CDコレクションにおいても数少ないのが実態。一方、指揮者のチョン・ミュンフンは同じアジア人でありながら、その国際性と一種のカリスマ性で従来から尊敬する指揮者のひとりであった。(ちなみに、数年前に知人を介して一緒に食事をした経験があるが、その人間性にも惚れ込んだ。)

そのコンビが奏でるプラームスは、圧巻のただ一言に尽きる。 ブラームス独特の和声を見事に料理し、チェコ・フィルの豊かな響きと、本筋を外さすスパイシーなアゴーギグを駆使した絵巻物のようなブラ4はこれまでに聴いたことがない。特に第3楽章の熱狂性と躍動感には脱帽。ここに永遠の名曲ブラ4の新たな銘盤が加わった!

下は数年前にN響定期を振ったチョン・ミョンフンと楽屋で記念撮影した時の思い出の写真。

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ミュンシュの《幻想》あれこれ

シャルル・ミュンシュはベルリオーズの《幻想交響曲》を得意としていた指揮者である。私が知っているだけで6種類の録音(CD)と2種類の映像(DVD)が発売されている。パリ管弦楽団とのセッション録音(1967年10月)は往年の名演として今でも色褪せず有名だが、その翌月の同楽団とのライブ録音が昨年発売され、センセーショナルな評判を呼び、レコード芸術誌のリーダーズ・チョイスの第1位にもなった。私も聴いたときは度肝を抜かれた。その時のブログはこちらをご参照ください。


そのミュンシュが1960年に小兵ボストン交響楽団と来日し日比谷公会堂で演奏した《幻想》がNHKの貴重な録音からCDリリースされた。パリ管とのライブでの破天荒な演奏に毒された自分としては、ミュンシュのライブならではの刺激を求め早速購入した。これもなかなかのスグレものである。第1楽章は早めのテンポ設定で少しあっさりと音を紡ぎながらも徐々にエンジンが掛かり、パリ管ライブに勝るとも劣らない緊迫感とアゴーギグ、そしてオケとの阿吽の呼吸がしっかりと伝わってくる。NHKの録音もよくここまで丁寧に保存されていたものだと感心する。突然のパウゼはCDプレーヤーが壊れたかと勘違いするくらいドキッとする。パリ管ライブと比較して唯一残念なのは金管セクション、特にトロンボーンがかなりバテていて終盤で音がふやけている箇所があること。でもミュンシュの大爆演は最終音の長いフェルマータまで終わることはなく、そのパノラマに少々の音程のズレなど気にならなくなる。こんな斬新な演奏を当時の日本人(私が生まれる前なんだけど)はどう受け止めたのだろうね。


同じくライブならもっと面白いかもと、怖いもの見たさでミュンシュにとって同作品の初録音となる1949年のフランス国立放送管弦楽団とのCDも買った。しかしライナーノーツをよく読むとこちらは公演の翌日の録音パリ・シャンゼリゼ劇場でのセッション録音だと分かりガッカリ・・・演奏はソツなく全く古さを感じさせない点は素晴らしいが、前述のパリ管ライブとボストン響の来日ライブとは月とスッポンだろう。やはりミュンシュは”ライブの指揮者”だったんだと感じさせる。きっとリハーサルと本番ではテンポも大きく変わったのだろう。演奏する方はたまったもんじゃないだろうけど。

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