人生を豊かにする音楽・居酒屋・旅にまつわる気ままなブログ

6月, 2011 のアーカイブ

金聖響のベートーヴェン全集完結

注目の指揮者、金聖響がオーケストラアンサンブル金沢(OEK)を振ってのベートーヴェン交響曲録音が第4番と第8番で完結した。ここまで6年強を費し途中ブラームス交響曲録音で中断はしたものの、ベートーヴェン全9作品の日本人若手指揮者による偉業である。金聖響にとってそれは遥かなる旅だったのか、それともインターネット時代の当たり前の出来事だったのか。今回も新ベーレンライター版を用いたピリオド奏法を基本にベートーヴェンの偶数番シンフォニーの特長である明るい響きを貫いている。OEKの巧さは光るが、今回はメンバーが入れ替わったのか、何故かヴァイオリン・セクションの乾き過ぎた響きが気になる。金聖響は著書、「ベートーヴェンの交響曲」(講談社現代新書)の中で、カルロス・クライバーのベト4が子供の頃の思い出と綴っているが、クライバーほどの猛烈なエネルギーと躍動感は感じられなかった。第8番は形式に拘るあまりに作品本来の持つユーモラスさが欠如している。特にテンポ設定。終楽章の全音符=84、もっと冒険してもよかったのでは? それでも両作品とも随所に金聖響ならではの緻密な創意が施され爽快感を保とうとしている努力は認める。兎も角、まずはベートーヴェン交響曲全集完成おめでとうございます。金聖響、これからももと大胆に日本のクラシック音楽界に切り込んでほしい。

人気ブログランキングへ

広告

有川浩「県庁おもてなし課」

県庁おもてなし課
県庁おもてなし課 有川 浩角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-03-29
売り上げランキング : 7477Amazonで詳しく見る by G-Tools

小説「阪急電車」で虜になった作家、有川浩さんの最新刊、「県庁おもてなし課」を毎日ワクワクして読んだ。高知県庁に実在する観光振興部おもてなし課を題材にしたフィクション。ご本人が高知県出身ということもありリアルな現地紹介と土佐弁で綴られた物語。「阪急電車」同様に登場人物全員が主人公っぽい語り口が面白い。僕も四国(徳島生まれ・松山育ち)だけあって高知もよく知っている。今では坂本竜馬ブームがあるが、僕が四国に居た頃は、はりまや橋、桂浜、足摺岬、皿鉢料理、鰹たたき・・・くらいしか高知を思い浮かべなかった。若手県庁職員の掛水クンがお役所仕事と民間感覚の狭間で揺れながら成長していく様が元気もらえる。多紀ちゃんとの恋物語も程よく甘ずっぱいし。高知県のGDPは日本で鳥取県をひとつだけ上回るブービー。だってパチンコ屋と結婚式場しかない・・・でも、この本読んで自然の魅力たっぷりの高知に出かけたくなった。行ったら、「酔鯨」呑んで鰹たたきとのれそれをたらふく喰いたいよぅ。

有川浩さんのインタビューが掲載されているサイトを添付しますね。http://www.kadokawa.co.jp/sp/201103-04/

人気ブログランキングへ


藤谷治「船に乗れ!」

ここ3週間、作家藤谷治氏の作品と付き合ってみた。本屋大賞候補になった「船に乗れ!」の単行本3巻とその小説の背景とも言える今年出版されたエッセイ、「船の上でチェロを弾く」。読んでいる時のドキドキ感って何だろう。それは、音楽高校でチェロを専攻し夢破れる青春小説。仔細なまでの音楽表現。加えて哲学談義・・・まるで僕自身の音楽愛好人生をなぞっているみたいで。藤谷治氏は洗足学園高校音楽科を経て日大芸術学部映画学科を卒業。会社員務めの後現在は下北沢でフィクショネスという本屋をやりながら小説を書いている。「船に乗れ!」は自身の高校生活を題材に脚色した波乱万丈の青春音楽物語。3巻にもわたる長編小説だが、甘酸っぱい青春の匂いとクラシック音楽への真摯な想いが満載で次々と先を読みたくなる。主人公のサトルが悩んだ挙句にチェロを辞めると決めたシーンを読んでふっとこんな場面を考えた・・・”学生時代の親友と十数年振りに飲みに行って、その場でその友人が昔話を延々と語り始める。覚えている話もあれば忘れている話もある。でも延々と友人と共に青春の日々を頷きながら振り返る。そんな恥ずかしいこともあったよなと笑って振り返られる・・・” この本はそんな雰囲気を持った小説だった。藤谷治氏は1963年生まれなのでほぼ同世代。小説に出てくるカザルスの無伴奏チェロ組曲とホワイトハウス・コンサートでのメンデルスゾーンのピアノ・トリオ、デュ・プレのハイドンのチェロ協奏曲・・・どれも僕自身が大学時代にLP買って、しこたま練習した作品ばかり。今年3月に発売された書き下ろしエッセイの「船上でチェロを弾く」は、「船に乗れ!」を読み終えてから振り返るのにピッタリの解説集のようになっている。一度、下北沢にある氏の本屋を訪ねてみたい。

人気ブログランキングへ


インバル&都響のブラ1に金縛り

快進撃を続けるエリアフ・インバルと東京都交響楽団のコンビ。これだけ指揮者とオケのコンビネーションで継続的にワクワクするのはスクロヴァチェフスキ&読売日本交響楽団以来。マーラーの「復活」(2011年1月リリース)は、ほぼ同時期に発売されたラトル&ベルリン・フィルよりはるかに高い完成度と渾身のメッセージを発信してくれたのは記憶に新しい。そんな同コンビが、巷に名盤ひしめくプラームスの交響曲第1番をリリースした(2010年11月サントリーホールでのライブ録音)。タワーレコード横浜モアーズ店で見つけた時も買う気はさらさらなかったのだが、視聴してビックリ、そのままレジに並んでいた。日曜日に大音量で一人ホームシアターで聴いたが金縛りにあった。全てが凝縮していて非の打ちどころがない。敢えて粗探しをすれば第4楽章序奏部後半(練習番号B)のホルンがほんの一瞬出遅れる点のみだろう。インバルの解釈はマーラー作品に通じるダイナミズムがあり、ある意味においては古風でさえある。それは冒頭のオルゲンプンクトを極限までffで強調することによって音楽の土台を造る作業にも表れている。都響のアンサンブル力も極めて高い。それも手慣れたブラ1を材料に、インバルの指示待ちではなく積極的に各セクションがインバルに挑んでいるところが聴きモノ。東京都は石原知事のもとで財政再建を余儀なくされているが、文化都市、東京の象徴として実力的に世界にも通じる都響を蔑にしないでほしい。

人気ブログランキングへ


居酒屋探訪-41: 京成立石編


居酒屋探訪第41回は憧れの京成立石編。ここはのん兵衛のための大人のディズニーランドだ。まずは名門、「宇ち多゛(うちだ)」に。到着した午後6時だともう遅い。並ぶこと20分でようやく店内に。煮込み(180円)と焼酎梅割り(180円)を注文。沁みるぅぅぅっ!!! この後、シロ、ガツ、ハツ、レバなどのもつ焼き定番をオーダー。残念ながら、居酒屋師匠の黒ちやんから教えてもらった師匠シンキお酢とツルたれは早々に売り切れだった。続いて2軒目は向かいにある立喰い寿司の「栄寿司」。ここでちょびっと寿司摘まんで、次なるお店、「ミツワ」へと向かう。ここもモツ焼が有名なのだが、魚介の刺身がおススメらしい。店のお兄ちゃんがアットホームでいい。この日はガツ・アブラ混ぜタレ(180円)を焼酎ハイボール(320円)で楽しむ。ここまで3軒で待ち時間入れてざっと2時間。さて次は「ミツワ」から歩いて20メートルにあるおでんの「二毛作」に入ろうとしたら満席。それじゃ、線路を渡ってディープ・ゾーンの「呑んべ横丁」に入り込む。その前に鶏のから揚げの有名店「鳥房」に行こうって主張したんだけど、同行した他の3人はお腹いっぱいだとのことでスキップ。昭和30年代にタイムスリップしたような横丁に「おでんや」という名のお店。静かに引き戸を開けて席に着く。しっとりとした時間をおでんと酒と気のきいた会話で楽しむ。もう帰ろうとしたら、横丁に怪しげなスナック・・・その名も「伯爵」。うちのお袋くらいのおばちゃんがママでいて、一曲くらい歌ってから帰りなさいよと誘われ店内に。ハイボール2杯とカラオケ2曲x4人。これで午後10時30分。4人で5軒、一人当たり5,000円。立石は深いぃぃぃ。凄いぃぃぃ。まだ探訪しきれていないので、6月18日に師匠の黒ちゃんに連れられてカムバックする予定。

人気ブログランキングへ

 


ストラディヴァリウス・サミット・コンサート2011

先週まで忙しくてブログ更新出来なかったので、日曜日の朝は早起きしていくつか投稿する。まずは音楽ブログに相応しい話題として5月30日にサントリーホールで開催された「ストラディヴァリウス・サミット・コンサート2011」。パソナ・グループ南部代表からのご招待でここ数年毎年楽しませていただいている。
************************************************
モーツァルト: ディヴェルティメント へ長調KV138
バーバー: 弦楽のためのアダージョ 作品11
スーク: 弦楽のためのセレナーデ 変ホ長調 作品6
シューベルト: 5つのメヌエットと6つのトリオ D89
チャイコフスキー: 弦楽のためのセレナーデ ハ長調 作品48
************************************************
ストラドの魅力、ベルリン・フィルの実力を余すところなく発揮するに値するプログラムだ。翌31日はメインにチャイコの弦セレに代わり、ドヴォルザークの弦セレが配置されているプログラムがあったのだがこちらも興味をそそる。ベルリン・フィルの弦セクション・メンバーが銘器ストラドで奏でる音楽は本当に美しい。極限のアンサンブル能力と表現力。

期待のチャイコの弦セレでは冒頭のC-Durのスケールが曖昧なまま始まりちょっとドキッとしたが直ぐに立て直し、時間の芸術の中で最後はそんなことまで忘れさせる力を持った演奏だった。最小限プルトで演奏しているとは思えないダイナミックさ。見事なストラドの容姿は音を聴かなくとも見ているだけで惚れ惚れしてしまう。楽器眺めながら酒飲めるって位・・・
人気ブログランキングへ