人生を豊かにする音楽・居酒屋・旅にまつわる気ままなブログ

9月, 2007 のアーカイブ

オーケストラの職人たち

 

横浜は冷たい雨が振っています。昨年6月に亡くなった指揮者岩城宏之氏は、エッセイストとしてたくさんの著書を残していますが、その中から今回のシアトル出張の機内で読もうと「オーケストラの職人たち」という本を持ち込みました。でも結局、機内の映画に夢中になって読めず、結局週末自宅でのんびりしながら読みました。

機内で観た映画が何かって? 「ファンタスティックケフォー銀河の危機」と「オーシャンズ13」と「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド」です。正直どれもイマイチだったんだけど・・・

     オーケストラの職人たち (文春文庫)

オーケストラの職人たち (文春文庫)
岩城 宏之

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話を戻して・・・ 岩城宏之氏のエッセイは、なかなか面白く読ませてもらいました。クラシック音楽界の裏方仕事 – 事務局、楽器運搬、写譜、調律師、チケットもぎり等々 – を興味深く紹介しています。みんな音楽が三度の飯より好きなんだな。文中で「音楽や絵画にわかるとかわからないという言葉を使うのは日本人だけだ。理屈こねないで、おおらかに嫌いと言って欲しい。」との指摘に納得です。 平成3年には日本エッセイスト・クラブ賞も受賞している同氏の文章は、指揮と同じでカッコつけずに武骨で正直です。

 

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レイク・ワシントンとワイン

 

金曜日の夕刻にシアトル出張から無事帰国しました。今回の出張では世界中からお集りいただいたお客様エグゼクティブとワシントン湖クルーズに出かけました。沈みゆく夕日と満月の月光りがとても印象的でしたよ。

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夕食時にいろいろとワインを楽しむ機会もありました。レセプションで5-6種類の地元ワイナリーが出店しての試飲会だったのだけれど、日本から参加したメンバー全員一致でウマいと言われたのが、ワシントン州Yakima ValleyのDeLille Cellars 2004年。カベルネ65%とメルロー25%とその他のブレンドだけれど、パワフルで存在感あるし、あと口がしなやかでした。小売で72ドルって言ってた。試飲なのにグラスで3杯いただきました。タダ酒だとついつい呑んじゃいます。。。 

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もう一本滞在中に楽しんだ白ワインで気に入ったのはL’Ecole No.41 2005年。Columbia ValleyのChardonnayです。酸味もほとんどなくボディがしっかりしていて口当たりはスムーズ。本社の同僚のCurtさんのイチ押しでした。以前カリフォルニア・ワインのPaul Hobbsという同じChardonneyが大好きだったんだけど、それに近い味わいではるかに安いのがいい。ワイン談義で素敵な夜でした。でもちょっと呑み過ぎ・・・

 

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シアトル・マリナーズ

 

1年半振りにシアトル・マリナーズの本拠地のセーフコ球場に来ました。この日はクリーヴランド・インデアンズとの一戦。前回のブログで書いたクリーヴランド管弦楽団はメジャー・オケでシアトル交響楽団よりはるかに格が上だけど、メジャーリーグではシアトル・マリナーズの方が格上。イチローも城島もスタメン出場でした。イチローは5打数2安打でしたが、延長12回の混戦の末負けちゃった。私が観戦すると勝てないジンクスがあるみたい・・・

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今回は日本からお越しになったお客様とご一緒したのでマイクロソフトの所有するプライベートスイートでの観戦。気持ちいいです。地ビールのレッドフックESBとホットドッグを頬張って。シアトルはたっぷり秋の気配。気温も夜は華氏53度だから、摂氏11度。ワイルカード進出も夢となったマリナーズの観客席も空席が多く寒かったです。

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ウィンザー=メストの第九

 

2010年から小澤征爾の後を受けてウィーン国立歌劇場音楽監督のポストが決まっているフランツ・ウェルザー=メストが子兵クリーヴランド管弦楽団を振ったベートーヴェンの交響曲第9番《合唱付き》がドイツ・グラモフォンからリリースされました。公式ホームページはこちらです。ウェルザー=メストがオザワの後任に指名されたことは私の想定外の事件でして、サイモン・ラトルがアバドの後任としてベルリン・フィル音楽監督に指名された時と同じくらい、いやそれ以上の驚きでした。このCDを購入するまでウェルザー=メストのCDって1枚も持ってなかったし、コンサートも聴いたことがありませんでした。

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ウェルザー=メストは1960年生まれで私と同じ年なので同世代の抜擢は勇気づけられます。写真見ると肌がツヤツヤしてて若く見えます。オーストリア・リンツの生まれでありウィーン国立歌劇場としても久々の地元出身ということになります。でも19歳でカラヤン指揮者コンクールのセミ・ファイナリストに残ったというプロフィールが堂々と残っていること自体、まだ大物じゃないんじゃないかと心配します。テンシュテットの後を受けて音楽監督となったロンドン・フィルではコンサートマスターを含めて主要楽員が退団するという事件に巻き込まれ、オケと良好な関係にあったとは言い難かったのかも。彼の性格にはむしろアメリカの合理的なオケの方が会っているのかもしれません。2002年からはジョージ・セルに鍛え上げられたヴィルトゥオーソ・オケである名門クリーヴランド管弦楽団の音楽監督です。

私のニューヨーク赴任中、唯一聴き逃したオケがこのクリーヴランド管。地元ニューヨーク・フィルはもちろん、ボストン響も、フィラデルフィア管も、シカゴ響も、サンフランシスコ響も、ロス・フィルも、はたまたボルチモア響まで聴いたのに、田舎町のクリーヴランドに行く機会がなかったんです。もちろんCDではジョージ・セルが大好きな指揮者のひとりなので同コンビの演奏には多く接してるんだけど。

今回の《第九》は、今年1月11日から13日の本拠地、セヴェランス・ホールでの定期演奏会のライブ録音です。ライナーノーツによると年末に《第九》を演奏する習慣のない米国なので、クリーヴランド管にとって2002年1月(ドホナーニ指揮)以来の《第九》演奏だそうです。タワーレコード横浜モアーズ店で視聴した際には、スマートで切れのいい演奏という印象があり期待して購入したんだけど、自宅で聴くとアレって感じ。。。音楽的に個性が弱いと感じてしまう。当日のコンサート・プログラムにウェルザー=メスト自身が寄せたメッセージによると、「ニ短調は"死"、変ロ長調は"信頼"と"希望"、ニ長調は"勝利"と"歓喜"」を表現しているという。それは私も同感。残念ながら、その意図がCDに収められた音楽から感じ取れない。《第九》は日本人にとって特別な作品だし、聴く&演奏する機会が他国と比較して桁違いなので、肥えた耳には特にそう感じるのかもしれません。

クリーヴランド管の前は、ヨーロッパで注目されているチューリッヒ歌劇場で地道な修行を重ねてきたウェルザー=メストですが、音楽的才能とカリスマ性と金勘定の経営手腕も求められるウィーン国立歌劇場を円滑にマネージできるかお手並み拝見です。この1枚のCDでは判断するのは性急すぎるかもしれませんが、出る杭はどんどん打たれていいと思う。変によい子ぶらないで欲しいですね。同じ年齢の一人として応援していきたいと思います。

 

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ノースウエスト航空ラウンジ

 

福田新総裁の誕生ですね。政局安定を願います。日曜日からシアトル出張です。折角の三連休がなくなっちゃいました。成田空港にノースウエスト航空の新しいラウンジが出来ました。15番ゲートの上の階です。出発前の1時間程をココで過ごしましたが、極めて快適です。ホワイトと木目のツートンカラー。無料のお寿司やサラダ、ショートケーキや、スープも中華風とクリームシチューの2種類。奥にはシャワールームとキッズルームもあります。

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壁側にはズラッとMac PCが・・・誰でも無料でインターネットを利用できます。ホワイトのMac PCがラウンジの雰囲気と会っていて、マイクロソフトでは出来ない芸当かも。そう言えば、昨日の東京Jazz2007の入場者全員にiTunesの無料音楽ダウンロードができるカードも配ってましたね。敵ながら(?)あっぱれデス。。。

 

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小曽根真@東京Jazz2007

 

東京国際フォーラムで開催されている東京Jazz2007。今年で6年目なんだけど小曽根真は初出演なんですって。土曜日の夜の公演に当日券を手に入れて行ってきました。会場では野外ライブもあるし、屋台もたくさん出てて盛り上がってました。

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オープニングのスペシャル・セッションはザ・ベニー・ゴルソン・カルテットで始まりました。トム・ハンクス主演の映画「ターミナル」で主人公が会いに行こうとしたサックス奏者が彼。ジャズ界の歴史みたいな78歳のベニー・ジョンソンによるシックな大人のジャズは心に沁みました。

休憩をはさんでマイク・スターン・バンドで小曽根真が登場。キーボードとピアノを弾き分けてノリのいいセッションでした。本来ギターがあまり好きでないので(学生時代に弾けなかったコンプレックス?)、マイク・スターンの巧さにコメントできないんだけど、小曽根真がフィーチャリングしていただけで満足かな。

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その小曽根真の13年ぶりのソロ・アルバム「Falling In Love, Again」が最近のお気に入りです。ジャンルを超えた名曲を小曽根真の自由な感性で表現してくれています。しんみりするなぁ・・・インプロヴィゼーション5曲もモーツァルト風だったり、サティを思い出したり、ストラヴィンスキーに似たリズムが登場したり、ドビュッシーみたいだったり。時空を超えてピアノを愛する人たちに贈りたい素敵なアルバムです。

さぁて、これから旅支度を整えてシアトル出張です。(三連休なのに、トホホ・・・)

 

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プレヴィンとN響

 

NHK交響楽団第1600回定期公演は、改装されたサントリーホールでアンドレ・プレヴィンを迎えてのコンサート。笙の宮田まゆみとの武満徹のセレモニアル、コープランドのバレエ組曲「アパラチアの春」そしてメインはラフマニノフ交響曲第2番というゴージャスなプログラムでした。1999年以来のN響との共演となるアンドレ・プレヴィン見たさ(聴きたさ)に、この日のコンサートに来るために会議や会食をスケジュールしなかった私の秘書のTさんに大感謝。リニューアルされたサントリーホールはバリアフリーで障害者に優しくなったし、ホール内内壁も張り替えてシートのクッションもよくなって奇麗になりました。

武満徹のセレモニアルは1992年のサイトウ・キネン・フェスティバルで小沢征爾によって初演された作品で、笙の序奏が印象的です。神秘的な響きで会場にも神妙な緊張感が走ります。2曲目の「アパラチアの春」は私もニューヨーク赴任時代にノーウォーク交響楽団所属時に演奏した思い出の曲。最初は座席(1階10列15番)とホール音響の馴染みのせいで凝縮感に欠けるうな気がしましたが、弦セクションを中心に透明感とハッとする色彩感にうっとりしました。プレヴィンの自信あるアプローチにオケの姿勢にも余裕がありましたね。

ラフマニノフの交響曲第2番は今回来日の最大の注目。プレヴィンは3回もレコーディングしていて、プレヴィンがこの作品を有名にした立役者といってもいいくらいです。私も過去2年で2回演奏したこともあり、チェロのパート譜面を見ながらの鑑賞。どんどん高まる期待値に対して、本番はちょっとイメージと違う禁欲的で大人っぽいノスタルジックな演奏でした。本来もっとロマンティックで華麗な演奏を期待していたけど、かなり安全運転。特にヴァイオリン・セクションはおとなしい。比較して店村さん率いるヴィオラ・パートと藤森さん率いるチェロ・パートは抑揚も効いてグイグイと音楽を牽引し、かなりノッてましたね。プレヴィンも79歳。1996年にタングルウッド音楽祭でボストン交響楽団を振ったマーラー交響曲第4番では颯爽とした指揮ぶりでしたが、今回は椅子に座っての老齢な指揮者に変貌していました。アシュケナージ退任以降音楽監督ポストが空席のN響。現在フリーのプレヴィンが就任してくれたら、おもしろくなるんだけどなあ・・・

 

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とっておきのBar

 

一日の締めくくりとして静かに飲みたいときもある。とっておきのウイスキーにシガーを燻らせて。気の利いたバーテンダーがいてお客の会話を邪魔せずタイミングよくお酒を注いでくれる。そんなお店が銀座8丁目にあるWine Bar池田です。かれこれ4年くらい思いついた時に通っています。先日お客様の役員さんと二人で会食会の最後の仕上げに久しぶりに立ち寄りました。

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この日はスコットランドのナンバーワン・ブレンダーと呼ばれたリチャード・パターソンのDALMORE 1974年(アルコール度58度)をササキ・クリスタルのおしゃれなグラスでいただきました。このグラス、底辺が不思議な形をしていていろんな置き方が出来るんです。キューバ産の小型のシガーが約40分煙るので1本吸い終わったらお勘定してもらって。そうしないと美味いウィスキーを飲み過ぎて翌日に堪えるし。とっておきの大人の隠れ家みたいなお店です。

 

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自由時間

 

敬老の日は午後から紀尾井ホールで東京ガス管弦楽団の定期演奏会を聴きに行きました。仕事でお世話になっている東京ガスの役員がこのオケでフルートを吹いています。グリーグ没後100周年を記念してペールギュント第一組曲とピアノ協奏曲、そしてブラームスの交響曲第2番という意欲的なプログラムでした。企業オケとして1955年発足という日本一長い歴史を持つ同楽団。音楽が本当に好きなんだなと印象づける熱い演奏はとても好感持てました。

紀尾井ホールを後にして、ちょっと時間があったので銀座の山野楽器に立ち寄りました。先日来、何かモヤモヤしているベルリオーズの幻想交響曲のスコアを確認するためです。チョン・ミュンフンやアバドのCDで聴こえる第2楽章のコルネット(もしくはトランペット)は何か・・・私が持っている全音のスコア(当時700円)は確か高校生の頃に買ったものでした。それ以来幻想交響曲のスコアに興味を持っていなかったのですが、楽譜コーナーを物色しオイレンブルグ版やドーバー版などの楽譜を調べると違いが明白になりました。一番詳しいのは音楽之友社から発刊されているスコア。解説を読んで納得。あの第2楽章はオブリガート・コルネットでベルリオーズの自筆フル・スコアにも記載されているそうです。1844年5月4日のコンサートに出演したコルネットの名手のために書かれたものらしい。音楽之友社版のスコアには小さな音符でちゃんと表記されていました。ドーバー版にもちゃんと記載されていたけど、もうひとつの特殊楽器オフィクレイド(現在はチューバで代奏)の楽譜まで載っているのは音楽之友社だけでした。日本の楽譜といってあなどってはいけませんね。

モヤモヤが解消できてよかった・・・スコアは読み込めば読み込むほどに発見があります。通勤電車の中の暇つぶしにもいいです。

 

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3連休の幻想交響曲

 

3連休ですね。そして音楽の秋が近づいてきました。先週来、ベルリオーズの幻想交響曲が気になって仕方ないんです。「ある芸術家の生涯の挿話」と名付けられた表題音楽。私の性格として注目している事、気に入ったものはトコトン追及したくなるんです。そこでタワーレコード横浜モアーズ店でまたまた追加購入。こんなつまんない話題に付き合っていただく必要もないんだけど、何故か書きたい。聴けば聴くほどハマるんですもの・・・

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まずは、クラウディオ・アバド指揮シカゴ交響楽団(1983年2月デジタル録音)。金管楽器の名手揃いのシカゴ響による鮮烈で切れ味のよい録音は聴きごたえあります。第5楽章の鐘は広島の平和の鐘が使用されているらしく、通常の鐘よりも重低身の味わい深い響きは聴きモノです。第2楽章にはチョン・ミュンフン同様に楽譜にないトランペットかコネルット(?)が聴こえるんだけど気のせいでしょうか?

続いて小澤征爾指揮トロント交響楽団(1966年12月ステレオ録音)。トロント響の音楽監督に就任して2年目、オザワ31歳の若き肖像です。作為のないストレートな表現なんだけど瑞々しい感性が迸る。第3楽章のヴァイオリンとヴィオラのピチカートなんかはナヨナヨしてなくて生命感が宿っています。第5楽章のフルートとオーボエによる怪奇の笑声の部分はオザワらしいユーモアも感じさせます。第5楽章206小節からの鐘はC音だけでG音が鳴らず、どうみても録音ミスではないでしょうか・・・ それとも何か特別な意味を持ってたりして。わかんないけど。

さて、LP時代を懐かしんでシャルル・ミュンシュ指揮パリ管弦楽団(1967年10月ステレオ録音)も往年の名盤も買ってみました。組織されて間もないヤル気満々のパリ管の手綱を当時70歳のミュンシュが見事に引き締めたスケールの大きな演奏は今でも色褪せていません。第5楽章の冒頭の極端に遅いテンポ設定による不気味さは他に類を見ないでしょう。同コンビによるブラームスの交響曲第1番(1968年1月録音)と同様に歴史に残る名盤です。

なんだかんだで日曜の夜も更けてきました。明日は祭日なので、もうちょっとCD聴いてから寝ようっと。

 

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ナベサダの熱演

 

もうすぐ東京Jazz2007が開催されますね。今年は予定が合わず行けないのが残念です。昨年の東京Jazzで元気のいいセッションを披露してくれたナベサダこと渡辺貞夫のニューアルバムは、岩手県一関のジャズ喫茶の殿堂「ペイシー」の熱演感動ライブ。2007年4月13日と14日の二夜連続ライブセッションからの記録です。

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これがイイんだなぁ。バラードなんて、しんみりしちゃう。軽井沢での1泊2日のお客様との合宿の二日目は軽井沢72ゴルフコースでのゴルフ。ワイワイガヤガヤ楽しいプレイの後の表彰式パーティーでしこたま呑んで。帰りの新幹線の中でこのアルバムを聴きながらうたた寝。ナベサダの一人ひとりに語りかけるようなアルト・サックスが音楽を超えて生き方を教えてくれているみたい。ホントに心温まります。大人の男の魅力満載です。こんなカッコいいオヤジになれたらなぁ・・・

 

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ヤマカズの芸術

 

指揮者の山田一雄が京都市交響楽団の創立25周年記念で取り上げたマーラー交響曲第2番《復活》(1981年5月29日 京都会館第1ホールにおけるライブ録音)の復刻盤がタワーレコードから“ヘリテージ・コレクション”第3弾として発売されました。これは日本の音楽史に残すべき貴重な音源であり素晴らしい名演だと思います。ビクターレコードの音源に大感謝です。

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ヤマカズこと山田一雄はマーラー指揮者として本邦初演を手掛けていますが、この《復活》もそのひとつです。ヤマカズの指揮は自由奔放で波長が合った時のエネルギーは凄い。(逆に波長が合わなかったときの凡演はこれほどつまらないものはない。) 日本人指揮者でマーラーを振らせたら、渡邊暁雄先生か、ヤマカズが第一人者でしょう。最近では高関健の楽譜の深い読み込みも称賛に値すると思うけど。

兎に角、ヤマカズのこのマーラーは神憑っています。ヘルマン・シェルヘンの狂ったようなマーラーを精緻にしたような、それでいて若々しい。ホールトーンをうまく捉えて録音も優秀です。どこか仏教の色彩を感じるのは、広瀬量平作曲の「管弦楽のための迦陵頻伽(カラヴィンカ)」とのカップリングのせいでしょうか。いや、ヤマカズが煌びやかな袈裟を着た坊さんに思えて仕方ない。京都市交響楽団のアンサンブル能力も極めて高く、堂々としています。繰り返し聴き込むほどに味わいを増す。素晴らしいCDに出会えて幸せです。

 

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富山にて

 

木曜日は日帰りで富山出張でした。とても素敵な街でした。この季節の地元の名物は白エビだそうですが、甲殻類アレルギーの私はパス・・・

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到着してから市内の全日空ホテルで会社のメンバーと待ち合わせをしていたら、ヴァイオリニストの西野ゆかさんとバッタリお会いしました。西野さんはクァルテット・エクセルシオを主宰しロイヤル・チェンバー・オーケストラのコンサートマスターでもあります。先週のサイトウ・キネン・オーケストラにも出演されていました。富山でハープの吉野直子さんたちとコンサートがあったそうです。まさか富山で会うなんて、世間は狭いもんです。 

 

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何故か気になる幻想交響曲

 

小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラで久し振りに聴いて以来、何故かベルリオーズの「幻想交響曲」が気になっているんです。土曜日のNHKハイビジョンでのサイトウ・キネン・フェスティバル生中継放送で宮本文昭さんも語っていましたが、この作品はオーケストラの鳴りがよくて狂気的です。LP時代の名盤と言えば、ミュンシュ&パリ管、マルティノン&フランス国立管、クリュイタンス&フィルハーモニア管が有名ですね。自宅にどんなCDあるかなと思ったら、ノリントン&シュトットガルト放送響、マルケヴィッチ&ラムルー管、バレンボエム&ベルリン・フィル、佐渡裕&パリ管と意外と少ない。ちょっと新しい音源を求めて、タワーレコード横浜モアーズ店へ。ベルリオーズのコーナーで、何と私の後輩たちの九大フィルハーモニーオーケストラのCD(石丸寛指揮)も置いてあるのを見つけてビックリ。ヴィルトーゾとゴージャスさで気になるのは、ブーレーズ&クリーヴランド管、アバト&シカゴ響だったのだけれど、今回はチョン・ミュンフン&パリ・パスティーユ管弦楽団(1993年10月録音)の再発売廉価盤を購入してみました。

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CDジャケットも何かを感じさせてくれる。早速自宅で聴いてみてコレは大正解。第1楽章198小節からの弦セクションの4分音符スタッカートは、前述のNHKハイビジョンでのリハーサル風景でオザワが「全部アップでもダウンでもいいから、そんな締まった音が欲しい」と言ってましたが、チョン・ミュンフンはそれをさらに強調しています。ティンパニの重量感もいい。第2楽章序奏部でスコアにないトランペットかコルネットらしきものが入っているのは何故だろう・・・。普段は聴きとれない楽器群もチョン・ミュンフン独特のバランス感で浮かび上がる。第4楽章の管楽器による主要旋律で見せるチョン・ミュンフンの微妙なアーティキュレーションへのこだわりは、はっとさせられます第5楽章ではバスティーユのオケの実力の限界かなと感じてしまうところもありますが、神聖な鐘の響きに魅せられましたし、チョン・ミュンフンのフランス音楽に対する深い造詣を感じ取れてよかったです。こういう新しい発見と感動があるから音楽は止められないですね・・・

 

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サイトウ・キネン オン NHKハイビジョン

 

土曜日の夜7時からNHKハイビジョンで、小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラによるサイトウ・キネン・フェスティバル松本2007の生中継をやってましたね。私は9月6日に松本文化会館でそのコンサートを聴きましたが、同プログラムの第二夜の生中継でした。土曜日は仕事で出社してましたが、家内に電話して録画しておいたものを帰宅してじっくり観て、初日ライブの興奮が蘇りました。「なき王女のパヴァーヌ」のホルン・ソロも安定していてオザワから讃えられていたし。総じて初日よりも余裕があったかな。ホールでは後ろ姿しか見えなかったオザワの指揮ぶりも勉強になりました。それにしてもNHKの録音の見事なこと。会場ではホール音響のアンバランスさが気になった箇所も見事にアジャストされている。日本の誇る放送技術は凄いもんですね。

 

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サイトウ・キネン・フェスティバル松本

 

今年も齋藤秀雄先生を偲び、小澤征爾とその仲間が集うサイトウ・キネン・オーケストラが参加するサイトウ・キネン・フェスティバル松本の季節がやってきました。チケット入手が極めて困難なオーケストラ・コンサート。でも今年はスポンサーのセイコーエプソン社のご招待で初めて生で聴くことが出来ました。9月6日のオザワが振る初日は、生憎の台風9号の影響で新宿駅発のあずさ号が運休。長野新幹線と在来線を乗り継いで何とか松本まで入れました。初めての松本訪問では大粒の雨と風がお出迎え。手配いただいた浅間温泉の旅館「玉の湯」で夕食をとって会場の松本文化会館に。

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今年のオザワは、ラヴェルの亡き王女のためのパヴァーヌ、1916年フランス生まれの作曲家アンリ・デュティユーの「24の弦楽器、ツィンバロムと打楽器のための瞬間の神秘」、同作曲家の「Le Tems l’Horloge」の世界初演、そしてベルリオーズの幻想交響曲というプログラム。1階14列中央という絶好のシーティングでオザワの息遣いまで聴こえました。

冒頭のパヴァーヌは、米国シェラキース交響楽団の女性ホルン奏者のソロが音量・艶とも今ひとつ。どんな一流のプロでも初日は緊張するのでしょうね。続くディティユーの作品はもちろん初めてでしたが、さすがサイトウ・キネン、現代音楽といえど血の通った色彩感のある響きに心を打たれました。特にボストン交響楽団とフランス国立管弦楽団と当音楽祭の共同依嘱作品である「Le Tems l’Horloge」は、ソプラノのルネ・フレミングのしなやかな歌唱と相まって素晴らしい体験でした。プログラムによると実はまだ未完成で第4曲目を作曲中だとか。全曲完成した時点だもう一度聴いてみたい作品です。

メイン・ディシュの幻想交響曲は、ボストン交響楽団時代からオザワが得意としていた作品です。第1楽章は意外とあっさりと始まります。第2部「情熱」と呼ばれるあたりからエンジンがかかり、198小節からの弦セクションによるTuttiはサイトウ・キネンの本領発揮。第2楽章337小節からのanimatoも16分音符の粒の鮮やかな奏法に引き込まれます。第3楽章100小節からの弦セクションも荒々しさの中に楽器が鳴りきる。やっぱ、弦セクションはウマすぎる!!!

今宵のコンマスは都響コンマスの矢部達也さん、セカンド・ヴァイオリンは、N響コンマスの山口宏之さん、ヴィオラはソリストの川本嘉子さん、チェロは元東京クァルテットの原田禎夫さん、コントラバスはニュージーランド響首席の池松宏さんがそれぞれ首席を務めていました。チェロ・セクションは、プルト(表&裏)順に、原田禎夫さん、古川展生さん、木越洋さん、岩崎洸さん、北本秀樹さん、安田謙一郎さん、長谷部一郎さん、オーレ・アカホシさん、倉田澄子さん、荒庸子さんの5プルト。ひとりひとりがソロでも活躍されている面々ですから、このメンツが奏でる音ってドキドキするでしょ。

 第4楽章からはオケも慣れたのかフルに鳴り切ります。それでも設立当時と比べると見た目も大人しく、ちょっぴり優等生になったと思う。ホールは残響が短いけれど、パーカッション軍団のバツグンの決め手が心地よい。ほぼアタッカで終楽章に入ります。トロンボーンは1階席ではちょっとデッドに感じたけど管セクションも大健闘。注目の第3部の鐘(C音とG音)は会場の音響バランスを考慮して舞台裏からでした。とても存在感ありましたよ。どんな鐘を使っていたのか実物見たかった。このLontano(遠くのように)の部分で思いもよらずヴィオラの誰かかフライング。あるんですねぇ、こんなこと。。。第5部のCol Legno(弓の木の部分を弦にぶつける奏法)は全員ホンキ。ビックリしたぁ、高価に弓が傷ついちゃうくらい。最後はオザワの統率力で、オケ全体がパッショネートに盛り上がり、大ブラボー!!!

観客のマナーもよく、ブラボーおじさんもいなかった。(NHKがテレビ収録してました。) オザワもオケも舞台を降りてからも熱い拍手に迎えられて舞台に再登場してくれました。そう言えば、オザワはオケの団員と一緒に舞台に登場します。指揮者とオケという関係ではなく音楽仲間という意識なのでしょう。だからカーテンコールも団員と一緒。ここまで気持ちが通じるオケって素晴らしいですよね。音楽をする原点とも言える素晴らしい体験をさせていただきました。セイコーエプソンさんに大感謝です。終演後、楽屋口でロイヤル・チェンバー・オーケストラのコンサートマスターでもある西野ゆかさんを見つけて挨拶。N響チェロの木越さんにも挨拶したかったけど見逃しちゃいました。

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ホールのお土産コーナーも盛況でしたね。私も記念に、Tシャツとオケの演奏シーンの写真がカッコいいクリアホルダー(会社で使います)と、楽譜もピッタリ入るショッピングバッグを買いました。コンサートの興奮をそのまま持ち帰って旅館「玉の湯」の気持ちいい温泉に浸かった後、ビール飲みながらこのブログ書きました。明日は東京に帰るのに、台風の影響大丈夫かなぁ。

 

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軽井沢国際音楽祭フェスティバル・オーケストラ

 

日曜日は軽井沢国際音楽祭最終日のフェスティバル・オーケストラ・コンサートでした。音楽監督の横川晴児さんの指揮で、ソリストにルドヴィート・カンタさんを迎えてのドボルザークのチェロ協奏曲とブラームスの交響曲第1番というプログラム。コンサートマスターは漆原啓子さんで、チェロ首席の向山佳佳絵子さんなど主要パートに参加アーティストや講師陣が入り、受講生と我々アマチュアで編成された特別オケです。東京で6回のリハーサルを重ね、この日が本番。会場の軽井沢大賀ホールには寄贈者の大賀典雄元ソニー社長もお見えになってました。

 

カンタさんのドボコンは、前日ほんの数時間だげのオケ合わせでしたが、V8エンジンのような凄い迫力と完璧なまでのテクニックに圧倒されました。カンタさんの音に生命が宿り、音を通じてカンタさんの人格までがにじみ出ているような素晴らしい演奏で、舞台で伴奏していて涙が出てきました。ゲネ・プロが終わって本番までの間にも、前日に時間が足りなかったからと受講生のレッスンをする心やさしいカンタさん。カンタさん、万歳!!! 右上の写真はカンタさんオリジナルのソロ用のひな壇。折りたたみ式でカッコいい・・・

     

続いて、ブラ1。第1楽章のリピートもきちんとこなします。自発的なアンサンブルの快感と本番の一発勝負の大胆さで結構いい出来に仕上がったのではないでしょうか。低弦はしっかり響いていたかなあ。FM軽井沢が録音しているので早く聴いてみたいです。チェロ首席を務めてくださった向山さんにいろいろと教えていただきました。どの音も無駄にしない向山さんの弾き方は憧れです。上の写真は向山さんの楽器に付いているテールピース。通常の黒いプラスティック製のものを金色に染めてアジャスターにはダイヤならぬキラキラの石を装着してた特別製。オシャレ・・・

  

今回の音楽祭の受講生にはチェロが6名参加していました。藝大や東京音大の学生も。期間中に受講生によるコンサートも無料で公開されましたが、聴いていて大変勉強になりました。まず、呼吸。緊張すると息遣いが乱れ、知らないうちにテンポが上がって自分の首を絞めている。呼吸法によって音楽の流れを創ることができるんですね。もうひとつは、ホールの最後列の壁まで音を届かせるということ。どうしても舞台の上の自分のまわりの響きだけ聴いてしまいますが、スケールの大きさは傍鳴りではだめなんですね。下の写真は講師のカンタさんと受講生の皆さん、そしてレッスンのピアノ伴奏を担当したピアニストの南部麻里さんと記念撮影。未来のソリストの皆さん、頑張ってくださいね。 軽井沢国際音楽祭も無事終了しました。今年も一期一会で素晴らしいアーチストの方々とお会いできました。仲良くなったオケのメンバーともこれでお別れ。そして私の夏休みも終わり。軽井沢は涼しかった。また来年お会いできることを楽しみにしています。お疲れ様でした。

 

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野平一郎の世界

 

軽井沢国際音楽祭2007の三日目です。土曜日は室内楽シリーズIIでした。ヴァイオリンの漆原啓子さんを中心としたドボルザークの弦楽五重奏曲第2番ト長調は、独特の複雑なリズムの表現が素晴らしく、セカンド・ヴァイオリンにお弟子さんの荒井章乃さん、ヴィオラは元ウィーン・フィルのヴェルファーさん、チェロは向山佳絵子さん、コントラバスにN響首席の吉田秀さんという気心知れた仲間のアンサンブルに魅了されました。写真は終演後に美女三名に囲まれる秀さん。  

  

続いて第三部は、ピアニストであり作曲家の「野平一郎の世界」。今年のこの音楽祭のための委嘱作品である「軽井沢四重奏曲」の世界初演でした。メシアンの「世の終わりのための四重奏曲」と同じ楽器編成で、ヴァイオリンは漆原啓子さん、クラリネットが横川晴児さん、チェロが向山佳絵子さん、そしてピアノは野平一郎さんご自身が演奏。第1楽章と第5楽章が四重奏ですが、その間は各楽器のソロが中心で、音の形が微妙に変化します。アナログチックなあるひとつの不思議な響きがいつまでも発展してきます。この日は全員、大きなスコアを見ながらの演奏。会場に張りつめた緊張感が心地よかったです。終演後は、軽井沢の南仏料理レストラン「パッション」でレセプション。プロシュートが美味かった。。。

 

 野平さんの世界初演の成功をお祝いして私から、2003年のロバート・モンダヴィのOpus Oneを差し入れ。野平さんもナパのワイナリーでこのワインを指揮者のケント・ナガノと試飲したという思い出があるとおっしゃられ大変喜んでくださいました。私も、貴重な世界初演に立ち会えて光栄でした。本当にお疲れ様でした!!!

  

     

さぁて、これから最終日を飾るフェスティバル・オーケストラの演奏会です。ゲネ・プロも終わり、これから着替えなくっちゃ・・・

 

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