人生を豊かにする音楽・居酒屋・旅にまつわる気ままなブログ

5月, 2010 のアーカイブ

懐かしの味、金ちゃんヌードル

 
土曜日は名門コース川奈でゴルフ。珍しく海風もなく気持ちいい一日を満喫できた。帰宅して夜遅くに小腹がすいたので徳島製粉の金ちゃんヌードルを食す。先日近所のスーパーマーケットで久々に遭遇した懐かしの味。
 
  
 
私にとってのカップ麺のルーツは日清カップヌードルではなく、この金ちゃんヌードルなのである。地元徳島の二軒屋町にある本社/工場は当時の自宅から歩いていける距離だった。小学校2年生の時の工場見学で金ちゃんラーメンをお土産にもらったのは今でも鮮明に覚えている。コント55号時代の萩本欽一さんを起用した金ちゃんのTVCMも懐かしい。でも「金ちゃん」の名前の由来はラーメンが商品化される前の主力製品だった小麦粉の「鳴門金鶴」から転用したものらしく欽チャンとは全く関係なし。
 
私の記憶の奥底に"ナミキンツルラーメン"という単語がデジャブーのようにまとわりついている。このブログを書く際に徳島製粉のホームページを見たら大昔にその名のインスタントラーメンがあった。今から40年以上前に聞いた言葉なのに子供の頃の記憶って恐ろしい。
 
ご覧のとおりプラスティックの二重構造になっているパッケージはお湯を入れて手で持っても熱くない。日清カップヌードルと違い、同じプラステックのふたがついているのでお湯を注いで待つ間もしっかりと密閉できる。味はスタンダードな醤油スープであり、近年話題の醤油とんこつの徳島中華そばとは違う。カップ麺はシンプルな味がよい、その方が食べるシチュエーションを限定しなくてすむ。
 
子供の頃の懐かしい味を東京で偶然発見できたのは小さな幸せ・・・ 
 
 
 

人気ブログランキングへ


アレンジャーとしてのマーラー、そして「第九」

 
グスタフ・マーラーは「大地の歌」を含めると9曲プラス未完の第10番の偉大な交響曲の作曲家であり指揮者としてもウィーン・フィルの常任指揮者を務めるなど、世紀末ウィーンを代表する芸術家だが、奇抜な(?)アレンジャー(編曲家)だったことをご存じの方はどれくらいいるだろう。指揮者としてのマーラーが指揮台に立つ時、作品が作曲された時代のオーケストラの編成や楽器固有の制限を取りはらい、近代オーケストラがより機能的ななったことを踏まえてオーケストレーションに独特の編曲を加えている。
 
古くはペーター・ディボリスがブルノ・フィルと録音したベートーヴェンの数々の交響曲のマーラー編曲版でそのテクスチャーを知ることが出来る。概ね管楽器をマーラー自身の巨大な交響曲作品のように倍管し、時にはチューバまで入れたり第二ティンパニ奏者を配備したりして音を厚くしている。残念ながらティボリスのCDは音の記録としては貴重だが演奏はそんなに特徴なくゲテモノの域を出なかった。
 
またブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」のマーラー改訂版をゲンナジ・ロジェストヴェンスキー&ソヴィエト国立文化省交響楽団がCD化しているがこれもゲテモノに近い。1888年第3稿もしくはシャルク改訂版をベースにオーケストレーションをデフォルメしているだけでなく100小節以上の貴重な音楽がカットされているため、原曲を愛するものには冒涜のようにも映る。
 
近年ではリッカルト・シャイーが小兵ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団を振ってマーラー編曲版によるシューマン交響曲全集をCDリリースしたのが記憶に新しい。そもそもシューマンの交響曲作品はオーケストレーションが怪しくジョージ・セルをはじめとして歴代の指揮者が楽譜に手を入れている。そのためにシャイーの演奏も全く違和感なくむしろシューマンの持ち味を生かしきった編曲といえる。マーラーがニューヨーク・フィルの音楽監督時代にシューマンの作品に手を加えているが、その後就任したトスカニーニもマーラー編曲を使っていたという話もある。
 
そんなマーラー編曲の聴きごたえのあるCDがリリースされた。クリスチャン・ヤルヴィ指揮ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団によるベートーヴェンの「第九」だ !!
 
2006年9月のウィーン楽友協会大ホールでのライブ録音。クリスチャンはネーヴェ・ヤルヴィを父にパーヴオ・ヤルヴィを兄に持つ指揮者で同楽団の音楽監督である。これはゲテモノではなく、ピリオド奏法が流行の昨今のオーケストラ演奏に切り込む、よい意味での問題提起となる正真正銘の「第九」として高く評価できる。兄のパーヴォが昨年ベートーヴェンの「第九」を新ベーレンライター版でCDリリースしたこととの比較も面白い。
 
 
 
第2楽章スケルツォの主題をトランペットに朗々と吹かせたり、通常版のスコアを見ながら聴くとその違いは歴然としている。ホルンは倍増にバス・チューバも加え、もちろん第4楽章冒頭は今では通例ともなった金管楽器の欠落している音を全て拾いあげている。それでいてテンポ感は機敏でダレない。ダイナミック・レンジが大きいのだ。プレストの処理も自然でプライトコプフ新版にも共通する全音符=116を踏襲している。私に言わせるとインターネット時代の「第九」って感じかな。ライナーノーツによると、1895年にマーラーが「第九」をハンブルグで指揮した際には、第4楽章のアレグロ・アッサイ・ヴィヴーチェでRemote Orchastra(つまりバンダのような形で舞台裏から演奏させるってことかな?)まで使ったと記されている。やるねぇ。マーラーは・・・惜しむらくは、終楽章の歌手と合唱が超一流でないのが残念。音程も怪しい箇所があり、もっと洗練された歌手陣だと最後余計に盛り上がり引き締まったんじゃないかな。今年の年末はクリスチャン・ヤルヴィの「第九」を我が家で流そう!
 
 
 

人気ブログランキングへ


のだめカンタービレ最終楽章

 
ゴールデンウィークに自宅でゴロゴロするのもよくないと横浜ニ出かけて映画「のだめカンタービレ最終楽章-後編」を観に行った。前編は年末に渋谷のヤマハに買い物に行ったときに見つけて入ったし。音楽することを夢見る若者たちの真摯な姿と友情が表現されていい映画だった。前編と比べてライジングスター・オケ時代の仲間がパリに終結し国境を超えて友情の和を広げるのも音楽があるがこそ。前編では指揮者千秋先輩を中心に描かれていたために管弦楽作品の演奏シーンが多かったが、今回はのだめ中心でピアノ作品が多い。これらは全て中国人ピアニストのラン・ランが演奏しているので聴きごたえある。のだめ自作の「もじゃもじゃ組曲」もラン・ランが演奏しているというのも面白い。のだめと千秋の思い出の作品、モーツァルトの2台のビアノのためのソナタもラン・ランが多重録音で2台弾いているのはそのままクラシックCDとして単独発売しても価値あるくらい。
 
先週サンフランシスコでのシスコシステムズのパートナーサミットに出席したら会場の至る所にラン・ランの写真が今年のテーマと一緒に飾られていた。何でだろう・・・ラン・ランはその一週間前に地元サンフランシスコ交響楽団と協演し、モーツァルトのピアノ協奏曲第17番とベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番を一晩で演奏し絶賛されたという。この数週間で私の中にラン・ランがいろんな場面で登場するのは偶然なんだろうか。
 
 
 

人気ブログランキングへ


チェロのよだれかけ・・・

 
チェロを弾く時には胸と両足で楽器を固定する。その際にずっと構えていると楽器と接する胸の部分が痛くアザになったり、汗が楽器に滲みてニスが落ちたり、またワイシャツなどのボタンで楽器を傷つけたりすることがある。そこでチェロ奏者の間では「よだれかけ」なるものを楽器に着けている人がいて、私もその一人。ネットで検索すると「チェロのよだれかけ」でも結構通じるみたい。でも「胸当て」と呼んだ方が分かりやすいかもしれない。チェロパッド(http://www.minehara.com/showcase/hosco/hoscocoopt.htm)という名前で市販されていたり、英語ではCello Bib(http://www.cellos2go.com/accessories.php?show=instrumentcare)と言ったりもするみたい。いろんなチェリストにお会いした中で堤剛先生は裏板がしっかり隠れるくらいの大きさのを着けていた。私の師匠の日フィルの奈切先生は皮製で自作してらした。人によっては楽器と自分の間に何も不純物(?)をはさみたくないという考えから着けることを嫌う人もいる。ヨーヨー・マは着けていないけど、フルニエは茶色のフェルト製のこじんまりしたものを着けていた。
 
市販・自作様々だし、形状・材質も様々。みんな試行錯誤しているようだ。私は昔単色の黒とか茶色のタオルを買ってそれに紐をつけて使っていたが、これだと汗を吸いすぎてニカワがはがれるというアクシデントに見舞われた。その後は東急ハンズで買ったなめし皮(これも黒か茶色)を使ったら今度は皮の色が汗で衣服に付いたりして。N響主席の藤森さんやフォアシュピーラーの銅銀さんから都内某楽器店で特注して作ってもらったと聞いて私も連絡してみたが、手間のかかるわりに儲からないので止めたとのこと。それはポケットがついていて予備の弦を4本セットで入れられる優れものだった。逆に弦の重みでよだれかけがずれ上がることもない。
 
そこで・・・我がお袋が長年洋裁を仕事にしているので仕事の合間に制作してもらうことにした。何度か試作しサイズや材質を調整し完成したのが下の写真。まず表の布はベルベット生地。今回は黒と茶色を用意した。楽器が赤っぽいのには黒が、黄色かがっている楽器なら茶色がお似合いというわけだ。裏地も凝って黒には鮮やかな赤の滑りにくい布(お袋はなんとかという専門用語を言ってたがわすれた・・・)で高級感を出してもらった。表の下部にはポケットをつけてこの中にマツヤニや弦などの小物を入れられるスペースを作った。これによって前述のとおり重力でよだれかけがずれ上がることはない。それも真ん中で半分ずつふたつにポケットを分けて中でゴロゴロ動かないような工夫もした。
 
 
実際に試着させると下のとおり。左手で抑えるネックの根本と横板の部分はオープンにしてあるので演奏中も違和感はない。また楽器の横と裏板の接合に合わせて布に切り込みを入れて縫い合わせているので遊びも少なく楽器にフィットする。
 
 

さすがお袋! ホンモノの洋裁技術で妥協のないものを作ってくれた。それも知り合いにも差し上げなさいと5枚も・・・材料費だけで1枚あたり3,500円もかかったらしい。ちょっとこれでは高くて売れないでしょうね。早速私の2台のチェロに装着。いい感じでしょ。
 
実は先日NHK交響楽団の定期公演に行った時、主席チェロの藤森さんにお会いしてお袋が作った1枚を差し上げたところ、早速その日のコンサートで着けてくれていた。なんとも光栄なことでうれしくなりました・・・
 
 
 

人気ブログランキングへ


居酒屋探訪-38: 大井町「ほんま」

 
時々ウマい肉を食べながら酒を飲みたくなる。先日会社の同僚と肉食おうと言って焼肉屋も考えたけど、JR大井町駅から線路沿いに5-6分歩いたところにある「ほんま」で和牛料理を楽しむことにした。酒は最初からホッピー黒。キンミヤ焼酎をボトルで注文して飲みの体制を静かに整える。この日は急にお店に行くことになったので居酒屋探訪取材用デジカメを持ってなく携帯で写真撮ったからちょっとボケてるけど我慢ください・・・
 
 
まずは牛ハラミ刺しにご主人お勧めのレバ刺しをトッピング。塩とワサビで頂くハラミが最高にウマい!!! オオッ、これぞ肉じゃぁ。ふた切れ食べたら一気にホッピーもおかわり。それくらい一枚ずつに味わいがある。続いて牛ハラミ串焼きが運ばれてくる。これはボリューム満点でシコシコ。ゆず胡椒が肉に合い噛みしめるように一切れずつ口に運ぶ。ここまででもうホッピー4杯完了。
 
 
 
次に注文したのは牛モツ塩煮込み。下の左の写真のように塩味スープでトロリ。こんな白い煮込みは初めての体験。最後の締めはご主人お勧めのもつ入りカレー。これをトーストに付けて頂く。しっかりとした味付けでカレー屋さんやってもはやりそう。これできっちりキンミヤ焼酎のボトル1本を二人で開け、おなかも一杯。
 
 
 
夜は零時過ぎまでやってるらしいので仕事後にお腹思いっきりすいた夜はいい。ご主人のダジャレも料理同様に一級品(?)で楽しいこと間違いなし。
 
 
 

人気ブログランキングへ


I Left My Heart in San Francisco

久々にサンフランシスコに出張中。この一週間の出来事を一機にこのブログで紹介。まず、到着初日の夜はスタミナつけようと会社の同僚とリブアイ・ステーキと赤ワイン。デカイけどガッツリ平らげた。翌日のディナーは和食、下の右の写真なんか変でしょ。これヒラメの薄造り。酒は高知の酔鯨と広島の賀茂鶴をしこたま飲んだ。
 
 
 
飲んだ後はラーメンが恋しい。ユニオンスクエアの近くで見つけたタイ料理の店はなかなかイケる。ここ10年サンフランシスコに来る度に食べているが、今回も3回行った。卵麺のスープヌードルもコクがあって美味いし、春雨の焼きそば、タイ炒飯も。激辛唐辛子の薬味をたっぷり入れて、頭から汗ダラダラになるのが生きてるなぁって感じる瞬間。
 
 
 
木曜日は参加したカンファレンスの成功を祝して金門橋近くのビール鋳造レストランで打ち上げ。下の3種類の地ビールで乾杯!!!
 
金曜日にホテルの近くを歩いていたらアップルストアに長蛇の列。あっそうか、4月30日はApple iPadの3G機能付きの新製品の発売日。WiFiプラス3GはシスコCEOのジョン・チェンバースも自分が長時間自宅で使うことになると明言したくらい。でも予約がないと買えません・・・うちは長女がiPhone、家内はGoogleアンドロイド搭載のEXPERIA、そして私は仕事でBlackBerryと三者三様だが、このiPadは全員欲しいと言っているので日本で絶対手に入れたい。
 
 

金曜日の夕方全ての仕事を無事終了させて、サンフランシスコ交響楽団のコンサートへ。当日券もあり。約2,500名収容のルイス・M・デイビス・シンフォニーホールは近代的な建物。この日はクリストフ・エッシェンバッハの指揮で、シューマン交響曲第4番とツェムリンスキーの抒情交響曲 op.18という凝ったプログラム。そのためか会場には空席が目立つ。一番安い2階のチケットを購入して席に着くがステージから遠いせいか音がソフトすぎて締まりがない。エッシェンバッハの得意曲なのに。会場もシェフのマイケル・ティルソン・トーマスが登場する時(過去2回はマイケルだった)と比べて反応が鈍い。
 
 
 
休憩時間にバルコニーに出ると冷たい夜風が心地よい。シティホールとサンフランシスコ・バレエの建物の方向に見事な夜景が広がる。
 
 
 
後半は空席の目立つ1階に(本当は反則だが・・・)移動し最前列でツェムリンスキーを聴く。そして観る。ソプラノはエッシェンバッハがパリ管弦楽団を指揮したCDでも共演しているクリスティアーナ・シェーファー。 前半のシューマンとはオケの目の色も違った。バリトンとソプラノが全7楽章交互に歌うという珍しい作品はマーラーの『大地の歌』を意識したものと言われるが、エッシェンバッハの棒が冴えわたり、歌も心に沁み入る深遠な名演となった。これはエッシェンバッハのCD買ってみよ。
 
 
 
終演後、ロビーでサイン会が開かれた。早速列に並んでエッシェンバッハとシェーファーと一緒に記念撮影。サンフランシスコ出張の忙しさと疲れを吹き飛ばす気持ち良い夜となった。明日は帰国でGWだ!!!
 
 
 

人気ブログランキングへ