人生を豊かにする音楽・居酒屋・旅にまつわる気ままなブログ

11月, 2007 のアーカイブ

金聖響のブラームス

 

若手人気指揮者の金聖響さんがオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)を振ったブラームス交響曲第1番がリリースされましたね。金聖響さんの棒振り日記ブログを愛読しています。斎藤門下でないのが妙に好き。ニューイングランド音楽院とウィーン国立音楽大学で指揮を学んだことで、振りのテクニックより響きと明快な造型を大切にする指揮者という印象があります。同時進行しているベートーヴェン交響曲録音(オケは同じOEK)にもその主張がはっきりと出てて好きですが、このブラームスも有機製法にこだわったボジョレー・ヌーボーのような若々しい香りが特徴です。

ピリオド奏法と現代奏法を程良くミックスし前進力のあるブラームス。時々コクが足りないと感じる部分(例えば終楽章の冒頭数分間とか)もありますが、その裏には筋の通った音楽主張があり、何度も繰り返し聴きたくなる熱い表現意欲が素敵だと思います。オケのOEKも優秀だし、金聖響さんとお互いを高め合っている雰囲気があります。特にティンパニの雄弁さはまだ若いボジョレーを優しく包み込むワイングラスのような存在です。

往年の巨匠の演奏を聞き慣れた耳には物足りなさを感じるかもしれませんが、オールド・ヴィンテージとボジョレーは別物だし、これこそWeb2.0時代のブラームスと言ってもいいんじゃないのかな・・・個人的にも金聖響さんの将来性を信じているし、今年の新譜ベストテンに数えてもいいと信じてます。

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アーノンクールのクリスマス・オラトリオ

 

先週末からの風邪に悩まされましたが、お陰さまで復活です。これから忘年会シーズンに向ってこれから全力疾走です。体調不良の際の特効薬みたいになったのが、ニコライ・アーノンクールがウィーン・コンツェルトゥス・ムジクスと2006年の12月と2007年の1月にライブ録音した最新のJ.S.バッハの《クリスマス・オラトリオ》でした。私がお世話になっている大手鉄鋼メーカーのN役員はバッハの宗教曲の大ファンで、マタイ受難曲やロ短調ミサ曲がお好みなのですが、このアーノンクールの素晴らしい演奏をもうお聴きになったかしら。。。

この作品は6部構成のカンタータ集でクリスマスから翌年の1月6日にかけて日曜祝日ごとに1部ずつ演奏されることが通例となっています。今回のアーノンクールの演奏は伝統のウィーン楽友協会大ホールでその包容力のある柔らかい響きが味わえます。加えてアーノンクールの秘蔵っ子ともいえるシェーンベルク合唱団とアーノンクールが大きな信頼を寄せている独唱者の生き生きとして瑞々しい声楽も大きな魅力。とにかく美しいのです。。。キリスト誕生を祝うこの作品に対してアーノンクールの自信に満ちた迷いのない完成度の高いバッハ演奏は天から降り注ぐ一筋の光みたい。受難曲やミサ曲の深刻さと違い、どこか幸福感を感じさせてくれる。無宗教派な私でも深く感じるものがあるということは、まだまだ心が荒んでないと考えていいのかな・・・

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題名のない音楽会21ガラコンサート

 

風邪をこじらせた上にどんどん悪化している状態ではありましたが、金曜日の夜に昭和女子大学人見記念講堂で開催された題名のない音楽会21ガラコンサートに行ってきました。12月に放映される3週分の番組収録です。日曜日朝9時からテレビ朝日でオンエアされている長寿番組のスポンサーである出光興産さんからご招待いただきました。ガラコンサートと銘打っているだけあって超豪華な出演者ばかりでした。

ユーリ・シモノフ指揮モスクワ・フィルハーモニー交響楽団、ミュージガル「キャッツ」や「オペラ座の怪人」の作曲家アンドューの弟であるチェリストのジュリアン・ロイド・ウェバー、カラヤンが「神からの贈り物」と讃えた韓国出身のソプラノ歌手スミ・ジョー、魂を揺さぶるボーカルのスーザン・オズボーン、そして先月のロン・ティボー国際コンクールピアノ部門で優勝した田村響くんなどなど。風邪をひいていたこともあり咳が止まらずかなりしんどかったけど、とても充実した演奏に大満足でした。

特に忘れられない思い出となったのは、スミ・ジョーの歌声。今年の正月に聴いた森麻樹も凄かったけど、それ以上に表現力においてヴィルトゥオーゾなコロラトゥーラでした。韓国人でローマ・サンタ・チェチーリア音楽院を卒業し、ザルツブルグ音楽祭でカラヤンの指揮で「仮面舞踏会」のオスカー役を演じたり、ウィーン国立歌劇場、ミラノ・スカラ座、コベント・ガーテンやメトロポリタン歌劇場でも活躍する超本格派。英語もうまく日本人では敵わない国際派でした。

もう一人は、田村響くんによるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。愛知県の高校を卒業して現在ザルツプルグ・モーツァルテルム音楽院に留学中の21歳。昨年の出光音楽賞を受賞したということもあり凱旋帰国となりました。バックはユーリ・シモノフ&モスクワ・フィルハーモニーで本場モノによる本気のアシスト。田村くん演奏はとてもまじめで端正ですが、巨匠の風格を感じさせる堂々とした演奏は見事でしたね。これからどんな大物になっていくか将来が楽しみです。ゲスト全員が舞台にカーテン・コールした際に、普通は女性を先にエスコートするのに、スミ・ジョーをほったらかしにして先に舞台袖に引っ込むあたりはご愛敬ということで。

盛り沢山のコンサートは12月9日から3週にわたって放送されるようです。今回の司会は、ゲストにオーボエ奏者の宮本文昭サンといつものテレ朝アナウンサーの久保田直子さん。久保田さんはアナウンサーなのに結構噛んでいてNGもあったりしてノホホンとしてて親近感ありました。出光興産の提供による題名のない音楽会は長寿番組です。このようなメセナ活動は長く継続することに大きな意義があると実感します。風邪の体調不良を吹っ飛ばすくらいのゴージャスなコンサートでした。何とか25日のゴルフまでに全快になりたいです・・・

 

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ロストオデッセイ

 

XBOX360の新しいゲームタイトル「ロストオデッセイ」の制作発表イベントが、月曜日の夜に東急文化村オーチャードホールでありました。発売は12月6日です。なんでオーチャードホールかと言うと発表記者会見に続いて「ロストオデッセイ」のゲーム音楽を作曲した植松伸夫さんのプロデュースで、日本フィルハーモニー交響楽団による「ロストオデッセイ」のオーケストラ演奏があるからでした。ゲーム発売前だから世界初演ってことになりますでしょうか。

「ロストオデッセイ」は巨匠、坂口博信氏のシナリオに基づいて制作された超大作。これ以上のことは聞かないでください。ゲームに詳しくないもんで・・・でも、プロモーション・ビデオを観たけどスゴイ迫力ありましたよ。この坂口&植松コンビは私のような素人でも知っている「ファイナルファンタジー」を世に送り出したお二人です。当日のイベントには、声優として出演した豊川悦司さん、豊原功補さん、上原多香子さんも参加して盛り上げてくださいました。公式サイトはコチラです。是非お買いもとめ頂いてクリスマスやお正月に遊んでくださいませ!!!

さて、日フィルの演奏は普段のクラシック音楽と違いジョン・ウィリアムズ風の映画音楽みたいで面白かったです。指揮者の吉住典洋さんも手堅くオケをまとめていて好感持てました。通常のクラシック演奏でも是非一度ご一緒してみたい指揮者です。それにしてもオーチャードホールは断然2階席の方が音響はいいですね。。。短期間の案内であったにも関わらず、大勢のゲームファンの皆さんに来場いただけました。今回は東急文化村のH氏やY氏をはじめとする皆様に多大なご支援とご理解をいただき、無事イベントを成功裡に開催できました。本当にありがとうございました。

 

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ラーメン・イン京都

 

京都小旅行から帰る日曜日、お昼に東京に戻る前にJR京都駅から歩いて数分のところにある地元で人気のラーメン屋さんを2軒ハシゴしました。ちょうど2軒並びです。

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まずは右側の中華そば専門「新福菜館」。豚を煮込んだ濃口醤油の黒いリッチなスープが決め手。麺は中細ストレート。焼き飯も味が濃くて食べ甲斐があります。うーん、これは存在感あり。徳島ラーメン「いのたに」をつい思い出しました。

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もう一軒はお隣のラーメン専門店「第一旭」。とても素直な醤油ラーメンですがコクがある。スープをすするとホッとします。こちらも中細ストレート麺ですがスープとも絡んでバランスがいい。餃子も小粒でパリパリでウマいです。

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どちらもお店も店員さんが丁寧だし自信を持ってます。何気に見つけた京都ラーメンの美味さ!!! 食べ終わって外に出ると既に両店とも行列ができていました。

 

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喜多郎「空海の旅」

 

京都旅行に行ったからかもしれないけど、喜多郎のライフワークともいえる四国八十八ヶ所をテーマとして「空海の旅」のニューリリース「Sacred Journey of Ku-Kai Volume 3」がこころに沁みます。1作目(第一番札所の霊山寺から第十二番札所の焼山寺まで)と2作目(第十三番札所の大日寺から第二十三番札所の薬王寺まで)も独特の人間宇宙を創作してくれたけど、この3作目はもっと自由な発想でイマジネーションを広げユニバーサルな自然観を奏でています。

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今回は第二十四番札所の最御崎寺から第三十一番札所の竹林寺までの《修行の道場》から8曲。前例どおり其々の札所の境内の鐘の音が作品の中に見事にフィーチャーされています。今回の札所はいずれも高知県内にあるためか、黒潮を思い出すような波音が決め手。実在のお寺そのものの光景を形にするのではなく、その場で感じた印象を元に自然体で色彩豊かに仕上がっているのが聴き手を飽きさせませんね。

2003年から始まった壮大なこのプロジェクト。全八十八ヶ所を作品にするには後何年かかるんだろう。でもその作品と一緒に故郷四国の八十八ヶ所を巡ってみたい気がしています。

 

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京都小旅行

 

土曜日から1泊2日で本社から来日中のボスを連れて京都に小旅行に出かけました。紅葉には少しだけ早すぎたようですが、京都ならではのとても美しい風景に心洗われました。土日なのに、それに私の誕生日でもあったのに、無理してでも行ってよかった。不動の静けさの中から語りかけてくる龍安寺の石庭、夕焼けに染まった金閣寺、永観堂のもみじのライトアップ、そして東寺の五重塔のライトアップ。初めて古都京都を訪れたイギリス人のボスも、日本は深いと感動していました。たくさん撮った写真の中からとっておきの1枚を・・・西日に輝く金閣寺。水面にそっくり映ってます。 

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もう一枚は永観堂のライトアップされたもみじ。ちょっとピンボケだけど水面に映った木々が神秘的でしょ。

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京都滞在記念に御収印帳を買いました。訪問先のお寺や神社で300円でご記帳してくれます。まあ子供たちが夢中になるディズニーランドのサイン帳みたいなものですが、何か有難い思いがあり、これから地道にコレクションしていこうと思います。

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夜は、南禅寺の近くの老舗「順正」で湯豆腐料理。盆地気候の京都の夜はしんみり寒いです。熱燗と一緒にいただく湯豆腐はとてもシンプルなのに味わい深く私たちを幸せにしてくれました。

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デュプレの再来か、ナタリー・クライン

 

今年はイギリスの作曲家エルガーの生誕150周年でした。有名な「威風堂々」の原題って"Pomp and Circumstance"。中学生の頃、英語が苦手で「井戸とその環境」って何だろうと思ってました。本当はご存じのとおり、Pomp は「壮麗」でCircumstance は「儀式張った」といった意味でした。そもそもスペルが違うし、、、恥ずかしい・・・

エルガーの代表作でもあるチェロ協奏曲は、イギリスの女流チェリスト、ジャクリーヌ・デュプレのトレードマークとなった作品です。私もこの協奏曲が一番好きで、米国赴任中に受けたノーウォーク交響楽団のオーディションで第1楽章を弾いたこともあり思い出深い作品です。

そのエルガーのチェロ協奏曲に新譜が登場しました。それもイギリスの若手女流チェリスト、ナタリー・クラインによる独奏です。今まで全く知らなかったのですが、オフィシャル・サイトによると今年29歳かな。美貌と素晴らしい技巧を兼ね備えたチェリストでこれから注目したいです。

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デュプレの再来かと思わせるくらい、この演奏、とても素晴らしいです。音程もテクニックもスケール感も申し分ないし、時折チェロの響きが無重力状態になるようなニュアンスがたまらない。カップリングされている「愛の挨拶」など6曲のエルガーの小品も心憎い編曲が施され楽しめます。あぁぁぁ、自分もチェロ弾きたいよう。。。

 

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ハイティンク阿吽の呼吸

 

熱燗とグスタフ・マーラーが似合う季節になりました。じっくりとマーラーのシンフォニーに寄り添ってヴィーン楽派の苦悩と黄金の快楽を感じるのも一興です(ただし、日本酒と合うかどうかは保証の限りではありません。)そこで本日の1枚は指揮者のベルナルド・ハイティンクがロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のマーラー交響曲第4番です。急病のカルロ・マリア・ジュリーニのピンチヒッターとして若干27歳で登壇してからちょうど半世紀。2006年11月7日のデビュー50周年記念特別コンサートのライブ録音(SACD)です。

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中学生の頃にPHILIPS社から発売された同コンビによるブラームス交響曲第2番のLPを買って、その美しさと含蓄に感動し毎日毎日繰り返し聴いていたことを懐かしく思い出します。そのハイティンクももうすぐ80歳になるのかぁ。(昔からハイティンクはハゲてたから年取ったように感じないんです。) ハイティンクはシカゴ交響楽団の首席指揮者でもありますが、やはりコンセルトヘボウの方が相性がいいし、お互いに"阿吽の呼吸"があるように思います。逆にコンセルトヘボウの常任指揮者であるマリス・ヤンソンスも素晴らしい指揮者だけど、ハイティンクが振った時の方がオケも安心感があるような気がします。

このマーラー交響曲第4番も両者の50年の信頼関係の上に成り立っている超名演です。そして録音もとびっきり素晴らしい。(でも終演後の会場の拍手は余計かも・・・) 管楽器の包容力あふれた響きは、じっくりリハーサルを重ねただけでなく正に"阿吽の呼吸"でしか成し得ないアゴーギグです。もちろん、超エレガントな弦セクションはウィーン・フィルをも上回る。終楽章のクリスティーネ・シェーファーの耳元で語りかけるような歌声も可憐でシビレます。名門の実力ここにあり。またマーラー交響曲にまた銘盤が一枚加わりました。ぬるめの熱燗のつまみは、あぶったイカではなくて、ハイティンクのマーラー・・・

 

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ゲルギエフ&東京交響楽団特別演奏会

 

11月12日月曜日に鬼才ワレリー・ゲルギエフが東京交響楽団を指揮した特別演奏会を聴きにミューザ川崎に行ってきました。偶然に東響事務局からお誘いいただきました。東響は1946年に創立され、1964年以降は秋山和慶さんが長年に渡って音楽監督・常任指揮者を務め、現在はユベール・スダーンが音楽監督に就いています。当日会場には二日前の定期公演を振ったスダーンも来てました。ちなみに私はスダーンが東響を指揮したブルックナー交響曲第8番のCDを持っていますが、結構気に入ってますよ。。。

当日はモーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」とベルリオーズの幻想交響曲というロシア物なしの興味をそそられるプログラム。「ジュピター」は6-5-4-3-2プルトの編成に絞って重心の低い座り心地のよいモーツァルトでした。日頃からスダーンに鍛えられた成果が出たのかな。ゴム毬のように弾力性のある弦セクションはお見事でしたね。出来ればヴァイオリン左右対称配置で聴きたかったなぁ。

休憩後の幻想交響曲は期待大でしたが、いつまで経っても爆発せず。それにしてもよくこの棒(振り方)で演奏できるなと思ってしまいました。フルトヴェングラーみたいに小刻みに振動する指揮を見てたらどこで音を出していいか迷ってしまいそうです。それに指揮台なしで舞台の上で動き回る際にゲルギエフの靴が滑っててコケそうでヒヤヒヤしました。いつものマリンスキー歌劇場やウィーン・フィルならゲルギエフの欲求に100%応えられるんだろうけど、東響の場合はコンマスの大谷康子さんや数名の限られた団員しかゲルギエフの音楽に付いていけてない気がしました。想像するに、11月10日の定期公演の翌日1日しかリハーサルがなかったんじゃないかな。

幾分早めのテンポで進む「幻想」。でもオケの音にも粘りがないし、この著名な標題音楽を平面的なものにしてしまい、音に影がなくてちょっと残念でした。終楽章まで来て、初めてゲルギエフがグロテスクなデフォルメした「幻想」ではなく、直観的な野性味を出そうとしてたのかと気づきました。終演後、10回くらいのカーテンコールに応えるゲルギエフ。日本のオケ成長のためには貴重な演奏会だったと思いますが、もっと入念な準備が欲しかったと感じたのは私だけでしょうか。これから更なる東響の発展に期待したいと思います。

 

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ノリントン的モーツァルト

 

この週末は二日間とも雨模様の中でゴルフ。石川遼クンは住友VISA太平洋マスターズで見事なプレイだったようですが、私の方はテンでダメ。どうして上手くならないんだろう・・・やはり才能がないんだな。

肉体的よりも精神的な下手なゴルフの疲れを癒してくれたのが、ロジャー・ノリントン指揮シュトゥットガルト放送交響楽団によるモーツァルト交響曲第1番と第25番そして第41番「ジュピター」。2006年のモーツァルト生誕250周年記念のヨーロッパ音楽祭ライブです。マーラーやブラームス、シューマンなどの交響曲で誰にも真似できない独自の世界を展開した同コンビによるモーツァルト・シリーズがいよいよ登場しました。

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コケティッシュで愛らしい第1番。第25番では悲しみなんて微塵もなく天使のようなト短調。「ジュピター」ではノリントンがやりたい放題。金管セクションの雄叫びが憎いくらいに決まってる。この1枚にノリントンの天才的才能が遺憾なく発揮されているって感じ。日本のオケのコンサートで耳にするけど、才能のない指揮者が振った心のこもっていないモーツァルトくらいつまらないものはないと思うのです。ピリオド奏法も音楽が伴わないと単調なだけだしね。でもノリントンの場合、全ての音符とフレーズに生命を文脈を感じるんです。皆さんも是非、ノリントン的モーツァルトで本当のモーツァルトに開眼してくださいませ。

 

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帝王カラヤンのベートーヴェン

 

先週前半までの10日間にわたる旅、つまり国内・海外出張なのですが、すっかりくたびれてしまいました。お陰でブログ更新も出来てませんでした。週末には自宅でヘルベルト・フォン・カラヤンのベートーヴェン交響曲全集を順番に楽しみながらダラダラ過ごしてました。来年はカラヤンの生誕100周年なんですね。今さらベートーヴェンと言うなかれ・・・帝王カラヤンの軌跡を辿ってみたかったのです。

帝王カラヤンは生涯で2種類の映像含めて6種類のベートーヴェン交響曲全集を完成させています。今回聴いたのは1975年から1977年のベルリン・フィルとの2度目のステレオ録音(第1回はフィルはーモニア管弦楽団との録音ですから生涯で3度目)です。2回目の1970年代の録音は既にベルリン・フィルそのものがカラヤン・サウンドになっていて豪快そのもの。フィルハーモニア管弦楽団との若々しさ一杯の中に将来の巨匠の風格を感じさせる演奏も好感持てますが、1970年代の録音では絶頂期の帝王カラヤンのカリスマ性が遺憾なく発揮されていますね。ベルリン・フィルの弦セクションも金管もバリバリひっちゃきになって演奏している感じ。ここまでやられると流行りのピリオド奏法とか関係なし。これは見事なカラヤンの芸術です。

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ところで、カラヤンのDVDによる映像(↓)もお楽しみですよ。音楽を視覚化することに挑戦したカラヤンの意図がよく理解できます。音は断然前述のCDの方がいいと思うけど、何度観ても飽きません。ここまできたら1960年代の味のある演奏と、評価の分かれるデジタルのにおいプンプンの1980年代の録音も聴いてみたいです。。。

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