ふたつシリーズ*ブランデンブルグ協奏曲
前回も、同じ曲で違う演奏について書きましたが、今回もその”ふたつ”シリーズ。タワーレコード横浜モアーズ店で漁った2枚。今日は、J.S.バッハの協奏曲集の頂点をなす傑作、ブランデンブルグ協奏曲全6曲です。
まずは、コンチェルト・イタリアーノによる演奏。ローマ・ファルネーゼ宮殿というこれまた素晴しい録音場所。(この録音風景を収めたDVDも得点として付いてます。)
演奏は、底抜けに明るい。リヒターやミュンヒンガーのドイツ的な響きではなく、これは正真正銘イタリア、グラッツェ・ミレ。でも、同時によく練られた解釈。特に第4番は、白眉。躍動感があり、メリハリが効いて、ブランデンブルグ協奏曲の魅力を新たに発見した感じの4,490円でした。
同じ路線で、もっと安いCDをお探しなら、今年3月に再発売されたイル・ジャルディーノ・アルモニコの演奏がオススメ。指揮者のジョヴァンニ・アントニーニは、ノリのいいテンポ感が特徴で、先日バーゼル室内管弦楽団とのベートーヴェン交響曲をご紹介したばかり。管楽器のバランスが独特で、今まで聞こえなかった内声部がビンビン響いたり、新鮮です。
これからは、ファッションも、サッカーも、ブランデンブルグも、イタリアものが熱いかも。
ふたつのアルベジョーネ・ソナタ
偶然、シューベルトのアルペジョーネ・ソナタの新リリース2枚に出会いました。
どちらも、今注目の女流チェリスト。
まずは、1690年製のテストーレを使用してのアンヌ・ガスティネルの演奏。カザルスの弟子であり、デュ・プレの再来とまで言われた彼女のチェロは、しっとりとしていて肌触りがよい。その音楽も表面的でなく、芯があり彩りがある。チェロ・ソナタを1曲も書かなかったシューベルトですが、ヴァイオリン・ソナティネや歌曲のチェロ編曲なども収められており、ガスティネルの実力を示すアルバムでした。ピアノ伴奏のクレール・デセールが見事に付けていて、録音も奥行きがありグッドです。
もう1枚は、ミュンヘン国際コンクール第1位の経歴を持つ北京生まれのチョウ・チン(趙静)とギターの大萩康司による「10弦の響」と題したアルバム。アルペジョーネのピアノ伴奏を大萩康司がギターで担当しています。こちらは、綺麗にシューベルトが流れていきますが、もうすこしメリハリが欲しいところ。同CDに収められているヴィラ・ロボスのブラジル風バッハ第5番のアリアやニァタリの作品の方が、二人の持味が出ていてます。私なら、同じチェロとギターのデュオなら、大ファンの長谷川陽子が福田進一と協演したアルバムを取るかな。チョウ・チンの音は、繊細なのだが意外と線が細く、今後もっと表現の幅を期待したいところ。
それにしても、こいういチェロ演奏を聴くと、自分でも弾きたくてムズムズしてしまいます。。。
バッハを蘇らせたふたりの天才
先週&今週と、タワーレコード横浜モアーズ店で、CDをたんまり買い込みました。ちょうどダブルポイント・セールだったし。
朝比奈隆のブルックナーとチャイコフスキー、小林研一郎のブラームスは、CANYONの廉価盤の在庫処分セールで1枚1,260円から。グレン・グールドのバッハ作品、イギリス組曲、フランス組曲、パルティータも夫々990円。チェリビダッケのブルックナーも、1,190円。。。
これらに加えて、衝動買いで、アルト・サックスの矢野沙織のニュー・アルバム、ウクレレ・ソロのジェイク・シマブクロ、アコースティック・ギター・デュオのDEPAPEPEのミニ・アルバムなど。変わったところで、ミシェル・コルボの2005年東京来日公演でのフォーレのレクイエム。
そんな中から、テーマにそって音楽聴き比べをしてみたいと思います。
まず、第1回は、バッハの無伴奏チェロ組曲。今回購入したのは、リコーダーのフランス・ブリュッヘン(EMI CLASSICS:CAPO3008)とコントラバスのゲリー・カー(KING RECORDS:KICC-558/559)とによる演奏。
どちらも、本流のチェロによる演奏ではないのが特徴ですが、独特の味があります。
ブリュッヘンは、第1番から第3番までの3曲ですが、素朴な音色。リコーダーという単音でビブラートもかからない楽器からこんな素晴しいバッハが奏でられるとはもう驚きです。
ゲリー・カーは、もう超人。チェロでさえ難曲なのに、なんでいとも簡単に弾けちゃうの??? 聞いてるうちに、コントラバスであることを忘れてしまいました。それくらい雄弁で深い演奏です。
ホンモノの音楽家って、楽器はあくまで自分の音楽を投影する道具でしかない。リコーダーとコントラバスという異質な楽器でバッハが蘇りました。
日曜日の運動
日曜日は、長男の中学の野球部主催の親子ソフトボール大会。私も参加しました。
息子のチームでの守備位置と同じセカンドを志願して、一応エラーなく守備をこなしましたが、打撃が問題。3打数1安打でしたが、第2打席で、フルスイングした時、左脇腹に激痛。数日様子を見ますが、来週のゴルフは欠場しないといけないかも。
スポーツと言えば、先週マラソンで、Qちゃんが意地の優勝。マラソンと言えば、指揮者の岩城宏之氏が、N響の有志と昨年の大晦日ベートーヴェンの交響曲全9曲を一晩でマラソン演奏したライブ録音が発売になりました。コンマスは、マロさんこと、篠崎史紀さんです。
違いの分る男(ゴールドブレンドの昔のCMです)、指揮者岩城宏之が、9時間かけてのフル(振る)マラソン。東京文化会館に怒涛のベートーヴェンが鳴り響きます。私は興味本位で購入しましたが、演奏は以外とイケル。
もちろん、前半ペース配分を考えセーブしている感はありますが、一度ノッてくると止まらない。大変人間味のある血の通ったベートーヴェンだと思います。さすがに、最後の「第九」では、息切れしそうで、冬の乾燥肌みたいな音になっているきらいもあるけど、最後まで持てる力を振り絞って頑張りました。
同氏のオーケストラ・アンサンブル金沢とのベートーヴェンより、テンポ感もしっかりしていて、かつ低弦が雄弁です。録音も丁寧にバランスよく音を拾い、アナログっぽくて味があります。演奏者の皆さん、お疲れ様でした・・・
今年の大晦日も再演するそうです。聴きに行ってみたいですね。
替え玉とヘンシェル・クワルテット
福岡での昼食、迷わず博多ラーメン。
今回は、お馴染みの元祖長浜屋に行く時間がなく、会社近くにある有名店博多だるまに行きました。バリカタ麺(麺カタよりもうひとつ硬いもの)で替え玉ふたつ。大満足。
この替え玉というシステムは、よく出来ていて、麺好きには大変コスト・パフォーマンスがいいと思います。好きな麺を、どんどん追加できるわけですから。もちろん、薄くなったスープには、ラーメン・タレを入れて味を整えます。
博多だるまは、究極の極細ストレート麺と程よい脂がスープにのっていて独特の香り。ただし、ボリューム不足のために、今回は替え玉をふたつ(つまりラーメン3杯分ってこと)と相成りました。
午後は、お客様でもあり同時に大学時代のオケ仲間のH先輩とお仕事で面談。H先輩ご推薦のヘンシェル・クワルテットのベートーヴェンの初期の弦楽四重奏とメンデルスゾーンの弦楽四重奏曲全曲のCDをお土産にいただきました。
1988年に結成された若手ナンバーワンのクワルテット。週末聴くのが楽しみです。
長崎は今日は晴れだった
今日から1泊2日で出張で、佐賀、長崎、久留米そして博多を廻っています。
博多-佐賀-長崎間は、JR九州の特急かもめに乗車。車内は、まるで気のきいたバーのようなムードあるつくり。(写真参照) 長崎駅に到着した時のホームで流れるテーマソングは、やはりプッチーニの喋々夫人でしたね。
長崎に到着した時は、晴れ。過去2回来た時は、台風と大雨。まるで、「長崎は今日も雨だった」という唄みたいな状況でしたが、今日は晴れ。
福岡に午後到着した時、おやつ代わりに、地元の因幡うどんで、ごぼう天うどんを食す。
夜の長崎市内でお客様との会食の後、仕上げに地元の三八ラーメンで、おでんとラーメン。
ちょっと食べすぎ? ごっさんデス。。。
ベートーヴェンの新たな風
先週からのハードワークで勤労感謝の日は、見事にダウン。
そんな中、アメリカで当社のXbox360が発売になりました。
それから、シアトル・マリナーズに城島選手が加入するというニュースも嬉しいです。
来シーズン、セーフコ球場での城島選手の活躍を観戦するのが楽しみです。
11月の新譜で、納得いくベートーヴェンの2種類をタワーレコード横浜モアーズ店でゲット。
イタリアンバロック演奏のイル・ジャルディーノ・アルモニコを率いるジョヴァンニ・アントニーニが客演指揮者を勤めるバーゼル室内管弦楽団を振った交響曲第1番と第2番。
(OEHMS CLASSICS:OC605)
もう1枚は、現代指揮者界の重鎮スクロヴァチェフスキが小兵ザールブリュッケン放送交響楽団を指揮してのベートーヴェン交響曲全集第一弾としての第2番と第3番「エロイカ」。
(OEHMS CLASSICS:OC522)
ミラノっ子、アントーニのベートーヴェンは、ナチュラル・トランペットを用い、弦楽器もガット弦に変えて古楽器弓での典型的バロック奏法。しかしその響きは、やぼったくなくシャープでふくよか。ベートーヴェン自身モーツァルトの影響も少なからず受け、自身イタリア人のサリエリに師事していたことを前提とすると、こうしたイタリアン・サウンドもうなづけます。アクセントも効いて、推進力のある明るく爽やかなベートーヴェンは大変好印象。
指揮者生活50余年で、初めてのベートーヴェン交響曲全集に取り掛かったスクロヴァチェフスキ。以前のブログで、彼のブルックナー交響曲第4番の名盤に出会った感動はお伝えしたとおり。今まで、この指揮者の存在と価値に気づいていなかった私が悔しいくらい。その演奏は、とても82歳のジイサンの音楽ではない、若々しく引き締まった演奏。同時に楽曲に対する敬愛と、(ブルックナーでもそうであったように)考え抜いたアーティキュレーションが自慢の録音。特に「エロイカ」は、ライブならではのエネルギッシュさと高いテンションが全曲に流れています。
久々に大満足の若手と重鎮のベートーヴェン交響曲。
今度は、岩城宏之が昨年の大晦日にベートーヴェン好交響曲全曲を一晩でマラソン演奏したCDについても書いてみようと思います。
ラトルはカラヤンを超えたか
サイモン・ラトルがアジア・ツアーの一環で、ベルリン・フィルと来日しています。今や、ラトルとベルリン・フィルは蜜月関係。世界最強のコンビ。
月曜日は、いよいよR.シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」がお目見え。今回は、残念ながら仕事で聴きにいけませんが、その演目である「英雄の生涯」のCDが、アジア地域で先行発売となりました。(インターナショナル盤は、来年2月の発売だそうです。)
今年9月のベルリン・フィルハーモニー・ホールでの定期演奏会ライブ録音で、公演に行けない分、このCDでガマン。。。
「英雄の生涯」は、今年の夏、自分で演奏して以来、マイ・ブームになっていて、ついにはR.シュトラウスの自作自演の1941年録音まで集めたほど。
これまで、帝王カラヤン、ルドルフ・ケンペ、カルロス・クライバー、ユージン・オーマンディなどの名演と出会いましたが、今回のラトルは、こうした歴史的名演と解釈を異にし、独特の"英雄"の生き様を描いています。
それは、このコンビがストラヴィンスキーの「春の祭典」をリリースした時に似ていて、大掛かりなオーケストラ作品なのに、室内楽のニュアンス漂う演奏です。
今回のラトルとベルリン・フィルは、2003年1月のウィーン・フィル定期演奏会での名演(こちらも、CDRを入手済ですが、素晴らしい名演でした。)と同様のアプローチ。スコアを片手に聴き込むと、丹念にリハーサルされ、コントロールされたラトルの知性が光ります。オケは、どこをとっても完璧だし、録音もよい。
曲中何度も登場する"英雄の主題"の取り扱いに特徴あり。例えば、冒頭第5小節の二分音符のアクセントでは、3拍目に明らかに間を置いて音を切っています。この奏法は、前述のウィーン・フィルでの定期でもそうでした。カラヤンはもちろん、自作自演のR.シュトラウスでさえ、こういう奏法は採用していません。興味深いですね。
ベルリン・フィルを手中に収めたラトルは、これでカラヤンを超えたと言えるかも。
今晩のコンサートを聴いた方がいらっしゃったら、是非感想を聞かせてくださいませ。
駅弁
金曜日の午後から、浜松出張。
オフィスでギリギリまで仕事していたので、お昼ごはんを食べる時間がなく、品川駅で駅弁を買いました。
本当は、エキュート品川を覗いてみたかったのですが、新幹線口にある駅弁屋さんでガマン。
私の食欲は旺盛で、深川めしと鯵の押し寿司の二品。鯵の押し寿司は、湘南名物で、JR大船駅から利用する時もよく買います。850円と1,000円(こちらが上寿司ということでしょうか。)がありますが、850円の方が、酢が利いていて、素人っぽくてウマイ。
小さな幸せデス・・・
ハッピー・バースディ
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声の調子
年末までは、週末も含めて本当に忙しい。。。
貧乏暇なしって感じ。でも、実はそれが楽しい。
何でも、モノは考えよう。ポジティブに考えて、エンジョイしないとね。
今日は、東京プリンスホテルパークタワーで、当社のパートナー様
数百名をお招きしてのカンファレンスで講演。
普段自分のコンサートでは、聴衆を前にしてもあまり緊張しないのに、
今日は緊張した。
一昨日、カラオケ唄い過ぎで、喉の調子も悪くて(言い訳)。
カラオケと言えば、最近の曲知らないなぁ。
息子が聴いてるオレンジレンジなんて覚えられないし。
何か(私の年齢にふさわしい)素敵な曲ありますかぁ?
カンファレンスが終了して外に出ると見事なイルミネーション。
もう街は、クリスマス・デコレーションでした。
お祝い
紀宮さま改め、黒田清子さま、ご結婚おめでとうございます。
テレビのニュースで流れていた、皇后さまの母親としてのあたたかい眼差しがとても印象的でした。
やはり、母親と娘のつながりって深いですよね。
披露宴の茶会では、弦楽四重奏の生演奏が、しとやかな雰囲気作りに一役かっていたとか。
そういえば、ここ暫く、披露宴の弦楽四重奏演奏の出演依頼がないなぁ。。。
街の風景
月曜日は、直行で新橋経由、赤坂へ。
JR新橋駅SL広場近くにある「牛めしげんき」はオススメ。
朝なら、牛めしミニセット350円で十分。昔懐かしい味がたまりません。
夜、当社のある新宿南口のサザンテラスは、もう冬支度。
色とりどりのイルミネーションでクリスマスの飾りつけです。
万華鏡を模した巨大なカレードスコープタワーは、お洒落なスポット。
賑わう若いカップルに気を使いながらシャッター押したらブレちゃいました。
作曲家ヒンデミットの指揮
パウル・ヒンデミット(1985-1963)というドイツの作曲家をご存知の方は、かなりクラシック・マニア。
交響曲「画家マチス」は有名。「ウェーバーの主題のための交響的変容」は、私もオーケストラで演奏したことがあるので、演奏会で取り上げられることもたまにある。彼自身は、フランクフルトの歌劇場でコンサートマスターを勤め、後にヴィオラ奏者となり、それまで独奏楽器としては無視されていた感のあるヴィオラのためのソナタを数多く作曲。つまり相当多彩な音楽家なのです。
ナチス迫害を受けて、スイスに亡命したことが発端となるヒンデミット事件は、巨匠フルトヴェングラーまで巻き込み、ドイツ音楽界を揺るがしました。1940年には、アメリカの市民権を得て、エール大学で教鞭をとり、1956年には、ウィーン・フィル初来日に指揮者として同行しています。その時は、自作の「交響曲」と「いとも気高き幻想」という曲を演奏してますが指揮者としての評価は高くなかったようです。
そのヒンデミットが、1960年2月に、ニューヨーク・フィルを振ったブルックナーの交響曲第7番のライブ録音をお馴染みの大阪クラシック音楽バー・アインザッツのマスターから紹介していただきました。こんな音源を聴けること自体、ブルックナー・ファンとしては光栄です。
さて、聴いてみると、録音がドライでモノラルなせいもあるのですが、即物的な解釈。ニューヨーク・フィル自身が、そんなにヴィルトーゾでないのが残念。かなり軽快と言ってもいいテンポで演奏が進んでいきますが、そこに独特の味がある。こんなブルックナーがあってもいいと思う。楽章が進むにつれて、徐々にロマン的な香りが漂い、ゲルラル・バウゼに音楽の流れへの変化を表現しています。
こんなのばっか聴いているとゲテモノ主義といわれるかもしれないけど、そんなことはありません。だって、今の若手指揮者ってテクニックばかりにこだわって、金太郎飴みたいでつまらないんだもの。
クレーメルのバッハ無伴奏
日曜日はいい天気でしたね。本牧を歩いていると、公園で、横浜市の中田市長のタウン・ミーティングが開催されていました。大勢の市民が集まって中田市長の話に耳を傾けていました。とても分かりやすく市政を解説していたのが印象的でした。
ギドン・クレーメルが20年振りに再録音したJ.S.バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲。ECMレーベルから登場です。 (UCCE9068)
言語としての音楽。指揮者のニコラス・アーノンクールが、「語学を学ぶのに、発音・構文を知り、どういう意味で言葉が並んでいるかを理解していくのと同じで、ただ音符を弾くだけでは音楽にならない。」と言っています。
クレーメルのバッハは、円熟味が増したとか、卓越したテクニックを披露したいうレベルを超越していると思います。そこには、ただバッハの純粋で深遠な世界が広がるだけ。ヴァイオリンという楽器は、そのバッハの言葉を無形の美に透過するだけ。クレーメルという人物さえ見えなくなる。
大学の先輩で西日本シティ銀行で室内楽コンサートをずっと続けてらっしゃるHさんからのオススメCDでした。H先輩、今月久しぶりにお会いできることを楽しみにしています。
590円の廉価盤CD
昔は、LP一枚2,500円とかしてました。CDの世界に変わっても、新譜や通常盤は、同じような価格帯です。(それにしても、エイベックス・クラシックスの3,000円は高い。)
そうした中で、バジェット・プライスという廉価盤もたくさん出ています。輸入物で、時には、1,000円を切るものも。
愛聴盤のディビッド・ジンマン指揮チューリッヒ・トーンハレのシューマン交響曲全集は、交響曲全4曲入り2枚組で1,250円。5,000円出しても買いたいくらいの名演です。同ベートーヴェン交響曲全集は、5枚組でナンと2,720円と超お買い得。こちらは、新ベーレーライター版の楽譜を使用した貴重な録音。
今回、590円という安さだけで、演奏はあまり期待せず買ったのが、スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮ザールブリュッケン放送交響楽団のブルックナー交響曲第4番<ロマンティック>。(エームス・クラシックス:BVCO-38009)
1878年-1880年第2稿ノーヴァク版による演奏ですが、第一楽章47小節の第一ヴァイオリンは、楽譜指定より1オクターブ上げたカラヤンと同様の改訂版に準拠。
私の同曲33枚目のコレクションとなりました。
この演奏が、何とも素晴しい。決して購入時の期待値との差ではなく、純粋に名演だと思う。
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキは、ポーランド出身の指揮者であり、作曲家でもある。細部まで一点の曇りのない解釈で、スケール感の大きいブルックナー。現役最年長指揮者のひとりとして、その存在感は大きい。オケも、当にドイツの深い響きであり、よく鳴っている。
日本でも今年、N響と読響でブルックナーを振ったんですね。もっと早くにこのCDに出会っていたら、聴きに行ったのに、くやしい。
インターネット・チケット販売の手数料程度で、購入できたこのCD。以外に掘り出し物でした。
浅草酉の市
浅草鳳神社の酉の市、それも一の酉に行ってきました。
私の部門の社員の健康と商売繁盛を祈願したあと、恒例の熊手を買いに。
今年もデッカイのを買いました。
今年の熊手は、神輿に加えて、兜がデザインされているもの。
ビジネスの隆盛と、勝って兜の緒を締めるって思いをこめて。
神様は偉大デス・・・
おでんや しょうみん
ロイヤル・チェンバー・オーケストラ事務局長のNさんたちと打ち合わせのあと、食事に行きました。
西麻布の「おでんや しょうみん」。 (写真撮ろうと思ったら、デジカメ忘れてまして、残念。)
京風の薄味に、和辛子ではなく、柚子胡椒を薬味にいただく金のおでん。
寒くなったら、おでんですよね・・・
有名人もたくさん来るみたい。
昨晩は、お昼のTV番組でお馴染みのあの方も演劇仲間を連れてお見えになってました。
ちなみに、Microsoft Presentsロイヤル・チェンバー・オーケストラ定期演奏会の2006年公演は、来年5月21日、紀尾井ホールに決定。曲目は、チャイコフスキーの交響曲第5番を中心としたプログラム。若手アーチストの登竜門的な企画も検討中ですので、ご期待ください。
それから、今年12月25日の同<第九>公演のパンフレットに掲載する曲目解説は、私が書くことになりました。。。事務局のOさん、原稿チェックよろしくお願いします。
天国の歌声
ボーカリストの本田美奈子さんが、急性骨髄性白血病でお亡くなりになりました。
心からご冥福をお祈りいたします。
あなたの歌う「新世界」は、母なる大地の抱擁でした。
天国にいる人たちを、あなたの歌で、幸せにしてあげてください。
弦楽器フェア
N響チェロ奏者の銅銀さんから、第48回 2005弦楽器フェアのご招待状をいただいたので、日曜日に、会場となっている北の丸公園にある科学技術館に行ってきました。
銅銀さんご自身は、11月5日に出展されている楽器を使用したミニ・コンサートに出演されていましたが、残念ながら仕事(のゴルフ)で行けなかったんです。
初めて行ってみましたが、結構な盛況でした。国内主要楽器ショップ、製作者に加えて、海外からも参加。
おもしろいところは、試奏させてもらえること。私も会場で、約2時間半、10本ほどの楽器を弾かせてもらいました。値段は、ピンキリ。私が試したのは、63万円のアメリカ製のアンティーク仕上げ(化学薬品で古く見せる仕掛け)の新作から、600万円の1800年代のオールドまで。相性のいい楽器も、そうでないものも。
一番気に入ったのは、イタリア・クレモナのEdgar Russさん製作のモンタニアーナ・モデルの新作。(写真左上)仕上げも見事だし、何と言っても、新作とは思えない音の安定感と深さ。欲しいなぁ・・・
それから、古楽器奏者の世界的権威、ヴーイラント・クイケン氏の息子さん、フィリップ・クイケンさんの工房。今は、埼玉に住んで、弦楽器製作を続けています。苗字が、あの有名なクイケンと同じですねと尋ねたら、お父さんだった。フィリップさん製作のチェロで、父クイケンは、CD録音しているそうです。(写真右上)
あと、フランスから、二人の製作者が来日。Friedrich ALBERさん(写真左下)とNicole DUMONDさん(写真右下)。小さいブースでしたが、製作者自らが丁寧に説明してくれました。年に3-4本しか制作できないとか。フランスの楽器は、A線(チェロの4本の弦で一番高い音の弦)が太く艶やかなのが特徴。あのチェロの貴公子ピエール・フルニエもフランス製の楽器を使用していました。これも、いいなぁ・・・
楽器って、それぞれ顔が違うんです。いい楽器は、眺めているだけでも惚れ惚れするような。
初めての弦楽器フェア、楽しめました。いい目の保養になった日曜日でした。
安達太良山とテンシュテットのマーラー
金曜日から、1泊2日で福島へ。お仕事でお世話になっているビジネス・パートナーさん主催のエグゼクティブ・セミナーに出席しました。磐梯朝日国立公園内のホテルは、携帯電話の電波も入らず、セミナーに集中。業務連絡には皆さんご苦労されていましたが。
翌日は、参加者40数名でのゴルフ・コンペ。ボナリ高原ゴルフクラブは、ドラマチックな名門コース。鮮やかな色彩で、そして自然が大きい。会津磐梯山と安達太良山(あだたらやま)がよく見えました。
安達太良山の空は、高村光太郎の「智恵子抄」で智恵子が愛した空。悠然と聳え立つ山がなんとなく寂しげです。
秋の紅葉と、素晴しいお天気と、素晴しいメンバーと、愛嬌のあるキャディーさんに恵まれて、気分は最高っス。スコアはって? いいじゃないすですか。スコアなんてちっぽけな話題を気にしていたら、こんな素晴しい自然に失礼です。(なんちゃって・・・)
東京駅までの新幹線の中、クラウス・テンシュテットのマーラー交響曲第5番をずっと聴いていました。ロンドン・フィルと来日した1984年4月13日の大阪フェスティバル・ホールでのライヴ録音です。(TOKYO FMレーベル:TFMC15)
マーラー指揮者テンシュテットの爆演です。全ての楽器が鳴り切って、緊張感が切れません。カラヤンの人工的で抑制された甘美な演奏も好きですが、ここには、人間性がある。そして雄大な空があり、色艶やかな紅葉があり、絨毯のような緑があり、自然があるって感じ。それでいて、緻密に計算されつくしている。テンシュテットの天才肌を垣間見ます。
久し振りに聴いたコレクションだけど、いいモノはいい。気分よく、缶チューハイとスルメを食べながらテンシュテットのマーラーの世界に浸っていると、あっという間に東京駅でした。
ご参加された皆さん、お疲れ様でした・・・
見直しました、エイベックス
紅葉が南下してきました。昨日と一昨日は、会社の役員合宿で、箱根湯本に行ったのですが、山間はもう紅葉がチラホラ。秋ですねぇ。。。
合宿が終わってから、どうしても戻らないといけなくて、新宿本社で深夜近くまで会議。その前に、新宿高島屋にあるHMVレコードで、ジャクリーヌ・デュ・プレのエルガー作曲チェロ協奏曲の新音源が発売されているはずと思い立ち寄りましたが、残念ながら、発売遅れのためゲットできず。その代わりに、一風変わったCDをゲット。
アルゼンチン生まれのキダリスト、エドゥアルド・イサークが、伝説のキース・ジャレットのケルン・コンサートを再現したもの。その名も、「ケルン・コンサートforギター」。キース・ジャレットの即興演奏は、最終的に日本の出版社から楽譜として発売されましたが、コレは、完全に耳コピ。組曲風に7曲で組み立てられています。
加えて、ビル・エヴァンスのワルツ・フォー・デビーやマイルス・デイヴィスの曲も収められていて、今まで経験したことのない世界に迷いこんだ感じです。
単なるトランスクリプション=編曲の世界に止まらず、新しい音楽として蘇っています。偶然、見っけたCDですが、前回、企画倒れの多いエイベックス・クラシックスなんて書いちゃったけど、今回は、ブラボー。