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3月, 2011 のアーカイブ

マーラー「復活」魂の叫び

東北地方太平洋沖大震災から2週間以上過ぎた。被災された方々には心からお見舞い申し上げます。一日も早い復旧・復興を願っています。地震発生以前から聴き始めたが、一層それ以降に気持ちを奮い立たせるためにマーラー交響曲第2番「復活」をよく聴いていきた。

サイモン・ラトルと小兵ベルリン・フィルとの蜜月ライブ(2010年10月ベルリン・フィルハーモニーホール録音)がリリースされている。尽きることのないゴージャスさと細部まで油断のない完璧さには脱帽である。初めて聴き通した際にこの美しさは無心さから授かった生き物ではなく、緻密に計算され尽くした科学的な成果物と感じてしまった。しかし聴き込む毎に、やはりその完璧な演奏の魅力から離れることはできなかったのはラトルの魔力だろう。

私は先月発売されたエリアフ・インバルが東京都交響楽団からの最高位の崇拝を受けたライブ(2010年6月サントリーホール録音)に注目したい。贅肉をそぎ落とした早めのテンポを基調にラトルに勝るとも劣らない世界的マーラー指揮者インバルの自信作となっており、都響が世界レベルの合奏力と披露してくれていることが何より嬉しいし、二期会も質の高い合唱で全面的にサポートしてくれている。地震の傷跡が大きい今、インバルの魂の叫びは勇気を与えてくれる。

金聖響が神奈川フィルを新境地に導いたライブ(2010年5月神奈川県民ホール)という対照的なCDもリリースされた。作品を誇張のない透明感で包み込んだ演奏ではあるが、それ以上の感動は前述のラトルやインバルと比較することを躊躇する出来映えなのが残念。それ位、マーラー作品は複雑で神秘的なのだ。

ジェイムズ・レヴァインもマーラー指揮者として有名だが、これまで何故かこの「復活」はリリースされていなかった。今回、世界一弦セクションが上手いと言われるイスラエル・フィルとの1989年のテルアビブでのライヴ・レコーディングが発売になった。そのスケール感とダイナミズムはまさにレヴァインのマーラーだ。録音が最高でないのが残念であり、その点で前述のインバルを凌ぐことは出来なかった。                                                                       

マーラー自身が作品に付けた表題的解説からその終楽章の一部分を紹介したい。(出典:wikipedia)
復活せよ。復活せよ。汝許されるであろう。そして、神の栄光が現れる。不思議な柔和な光がわれわれの心の奥底に透徹してくる。……すべてが黙し、幸福である。そして、見よ。そこにはなんの裁判もなく、罪ある人も正しい人も、権力も卑屈もなく、罰も報いもない。……愛の万能の感情がわれわれを至福なものへと浄化する。”

日本人であるからこそ、今この心の叫びを大切にしたい・・・日本はひとりじゃない。一日も早く平安な日々が日本に訪れることを願っている。

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出張お気に入りアイテム

今週は米国ニューオリンズに出張中。ロスでの乗り継ぎが入国審査と税関での長蛇の列のため予定したフライトに乗れず、ロスから一旦サンフランシスコに移動してニューオリンズ入りという悲惨なことになってしまった。機内では7月に演奏予定のマーラー交響曲第9番をiPODに入れたカラヤン&ベルリン・フィルとバーンスタイン&ベルリン・フィルの聴き比べでスコアとにらめっこしながら鑑賞。


最近お気に入りの海外出張グッズが写真にあるナイキのルームソックス。昨年秋に発売されて人気商品となったもので、発売直後に偶然成田空港のナイキショップで見つけて購入。それまでは航空会社が用意してくれる機内スリッパを利用していたが、こっちは靴のようにスッポリと足が入るので保温性も高く、かつ脱げないという利点がある。ポリウレタンの材質は柔らかく、デザインもホンモノのスニーカーぽくてちょっと遊び心あって面白い。各種カラーがあったが、目立ちたがり屋の性格からオレンジを選んだ。自宅で高校生の息子からはダサいと言われてしまったが、気にせず使い続けている。宿泊先のホテルの部屋でも履けるし、ちょっとホテル内の同じフロアにある製氷機まで行くのもこれなら恥ずかしくない(本来はマナー違反なのかな?)。折角だから色違いも購入したいと思ったのだけど、ネットで見てもどこも品切れのようで残念・・・

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