人生を豊かにする音楽・居酒屋・旅にまつわる気ままなブログ

2月, 2011 のアーカイブ

徒然なる読書

読書も趣味のひとつだ。ビジネス書は読むけど、ノウハウ本は読まない。小説はよく読む。最近読んだのは、渡辺淳一の「孤舟」と太田光の「マボロシの鳥」。

「孤舟」は定年退職して始まる本当の孤独を描いた国民的小説。私も後何年仕事するんだろうか。仕事辞めたら趣味に生きるなんてちょっと想像できない。忙しい合間に趣味の音楽やゴルフをやるから逆に充実するのであって。主人公の威一郎の妻と長女はうちの家族に似ている気がする。老後なんてまだまだ先と思っていたけど、この作品で考えさせられた。さすが渡辺淳一って感じの作品だった。

「マボロシの鳥」は爆笑問題の太田光のデビュー作。風刺や皮肉満載の短編集。場面展開が多く、読んでいて失速してしまった。太田光の性格がよく出ている感じがする。太田光はマクドナルドではフィレオフィッシュしか食べないらしい。私もそう・・・以前TV番組で日清ノカップヌードルにスジャータみたいなコーヒークリームを入れるとウマイと太田光が言っていた。実は私もよくやる。カップヌードルのちょっと舌を刺す辛さがマイルドになって豚骨スープ味に大変身するのだ。太田光と食の好みが似ているようだが、小説の好みは違うようだ。寓話風ではなく本格的社会派小説でも書いてもらったらいいかも。

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ワレリー・ゲルギエフ来日

マリインスキー歌劇場が芸術総監督であるワレリー・ゲルギエフと共に来日した。有難いことにお客様からご招待いただき日曜日にNHKホールでのプッチーニ「トゥーランドット」を鑑賞した。久し振りのオペラ。それも家内と二人で・・・ 

これはプロダクション&キャストとも同劇場の自信作と言っていだろう。舞台の奥の高い位置を左右に貫く橋(?)と傾斜をつけた舞台が遠近感を演出する。中央に置かれた円盤状の回転台が全幕を通じて効果的に活用されている。

タイトル・ロールのマリア・グレギーナは今や世界のトップクラスのトゥーランドット歌手。第一幕でカラフに3つの謎解きをするシーンでは少しグロテスク過ぎる感はあったが、その存在感は計り知れなかった。カラフ役のウラディミール・ガルージンの声量と艶には心底ウットリ。有名な「誰も寝てはならぬ」はちょっと気負い過ぎかな。見逃せないのが、リュー役のヒブラ・ゲルズマーク。彼女はグレギーナとの対比においてもか弱さを全身で表現し印象深かった。

一緒に行った家内は、マリインスキー・オケを称して木管セクションが今ひとつなんじゃないなんて勝手なこと言ってた。もちろん超一流のオケではないが、鍛えこまれたアンサンブル力は鬼才ゲルギエフのカリスマ性の下オケ・ピットで光っていた。

ゲルギエフの昨今の活躍振りは凄い、いや”モノ”凄い。ロンドン交響楽団とのマーラー・チクルスも完成に近づいている。最新リリースの交響曲第5番のライブCDでは大胆な抑揚の裏にある筋肉質のマーラーを堪能できる。右手が痙攣したのかと勘違いさせるような指揮振りもユニーク。間違いなく21世紀を代表するマエストロのひとりである。彼がブルックナーを振ったらどんなになるのだろうか、予想がつかない・・・

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バレンボイム&ベルリン・フィルの快演

出張でシンガポールに来た。日本は雪が降っているのにこっちは摂氏32度とスーツでは厚過ぎる。でも宿泊先のフォーシーズンズ・ホテルは快適。朝ごはんには納豆まであるし、部屋にはDVD/CDプレーヤーが設置されている。それを知っていたので日本から何枚かのDVDを持参した。一風呂浴びてから部屋で缶ビール片手に柿の種を摘みながらのDVD鑑賞もオツなもの。。。
その中から今回のオススメはダニエル・バレンボイムがベルリン・フィルを指揮した2010年のヨーロッパ・コンサート。会場は美しい構造と音響のオックスフォード大学のシェルドニアン講堂で普段のベルリン・フィルハーモニーホールの仰仰しさとは違うアットホームさが画像に映る。

エルガーのチェロ協奏曲のソリストはアメリカ生まれの若手アリサ・ワイラースタインが大抜擢されている。バレンボイムにとっては亡き妻のジャクリーヌ・デュプレの代名詞のような作品。安定した音程と自信に満ちた強い音で楽器を鳴らしきる28歳の彼女の演奏は、デュプレをも思い出させる。伴奏を務めるベルリン・フィルのチェロ・セクションからは対抗意識からお手並み拝見的な視線も感じるところが面白い。この作品の第1、第3楽章は自分でも弾けるけどその他の楽章で手が出ないところはDVDで運指(フィンガリング)の参考になる。

後半はブラームスの交響曲第1番。多くを振らずオケに流れを掴ませるバレンボイムの指揮はベルリン・フィルを自在に操り音楽のスケール感と同時に、強固なアンサンブル力を見せ付ける細部の繊細さが光る。コンサートマスターの樫本大進クンの第2楽章のソロもなんと美しいことか。先日購入したシュターツカペレ・ベルリンとのブルックナー交響曲第4番でも印象に残ったが、バレンボイムは益々巨匠への道を歩んでいるな。使用している指揮棒のシェイプも珍しく斎藤メソッドからすると異例の握り方なところが彼らしい。なかなか観応えのあるDVDでした。

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Welcome back ! Seiji Ozawa

我らが小澤征爾が帰ってきた! 食道がんの手術に成功したがその後に腰痛が悪化し、昨年の夏のサイトウ・キネンも秋のウィーン・フィルの来日もキャンセルしたオザワが小兵サイトウ・キネン・オーケストラと共に昨年12月14にNYのカーネギーホールの舞台に立ちブラームスの交響曲第1番を指揮した一夜のライブ録音がDECCAから緊急リリースされた。”奇跡の完全復活”と銘打たれるのも納得する。このコンサートは誰よりも長年の同志である舞台の上の楽員が喜んだに違いない、そんな仲間の心遣いと共感が伝わる演奏だ。そもそもサイトウ・キネンはゴージャスに鳴らすヴィルトゥーゾオケだが、体力の衰えからかオザワの音楽統率力が少し弱くなったと感じられるのが寂しい限り。第1楽章の序奏部からAllegroに転換する直前のチェロ・セクションの自信なさげな裏拍のピツカート(アマオケでよくやる失敗)や木管セクションの音程の乱れ(それもホンの少しなのだが)にそれが現れていると思う。ここ数年オケのメンバー変更があったことも理由のひとつだろうし、DECCAにしては珍しい分離の悪い録音品質に起因している部分もある。しかし、お互いに硬さの残る第1楽章に続く緩徐楽章の美しいこと・・・そして終楽章にはオザワのエネルギーが爆発する。まるで音楽をやりたくてもやれなかったこれまでの闘病生活の鬱憤を晴らすかのよう。古いボストン交響楽団や以前のサイトウ・キネンとの録音と違い、終楽章にオリジナル譜面にないティンパニの追加(ミュンシュやトスカニーニ、オーマンディなどが録音でやっている)は省略されている。どういう心境の変化なのか・・・これまでのユニバーサルなオザワから小澤征爾に変わった貴重な公演と位置づけてもいいだろう。

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