人生を豊かにする音楽・居酒屋・旅にまつわる気ままなブログ

1月, 2009 のアーカイブ

日本バレエ協会神奈川ブロック「白鳥の湖」公演

 
今年最初の演奏は、1月17日に日本バレエ協会関東支部神奈川ブロックの第26回自主公演によるチャイコフスキー「白鳥の湖」全幕の伴奏だった。神奈川県民ホールでの公演を俊友会管弦楽団がお手伝いするのも「眠れるの森の美女」、「シンデレラ」に続いて3年連続となった。私は仕事の都合で過去2年は参加できなかったので、初めてのオーケストラ・ピットでのバレエ伴奏には興奮した。オケ・ピットの中からは舞台は観えないけど本番での客席からの大きな拍手が演奏していても心地よい。特に我らのマエストロ、堤俊作さんはバレエ音楽を振らせたら随一。客席からの拍手が続く中、絶妙のタイミングで次の曲の棒を振り下ろす。全4幕の長丁場でも全く飽きないで全曲楽しく演奏できた。 
 
   
 
早速に舞踏評論家の高橋森彦さんのブログに当公演が紹介されていた。コチラをクリックください。来年は同公演のチャイコフスキーの「くるみ割り人形」全幕のお手伝いすることも決まったので楽しみにしている。
 
終演後は横浜中華街での打ち上げ。二次会で行った中国家庭料理のお店「山東」の水餃子がメチャ美味かった。閉店の深夜1時まで音楽談義で盛り上がりすぎて今日は二日酔い・・・ 
 
 
 
 
 
 
 

聴き比べ:カラヤン&ベルリン・フィル

 
聴き比べも今回を最後にしよう。お正月モードから脱出して仕事も忙しくなってきたし。最終回は昨年生誕100周年で話題を呼んだカラヤンのCD。ベルリン・フィルとのロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールでの公演のライブ録音だ。1985年4月のR.シュトラウス《英雄の生涯》とベートーヴェン交響曲第4番というプログラムと、1988年10月のシェーンベルグ《浄夜》とブラームス交響曲第1番のプログラム。
 
  
 
これは凄いCDが出たもんだ。カラヤンはCG的な録音技術を多用し人工的な匂いが鼻に付くという人がよくいるが、このライブ録音でその考えは100%覆される。この2枚のCDからは生々しい血がほとばしる様な生命観の宿るカラヤン・ワールドを聴くことが出来る。残念ながらベト4はゴージャスさだけが目立ちあまり好きになれなかっが、それ以外の3作品はカラヤン同作品のスタジオ録音を上回る気迫が感じられる。
 
《英雄の生涯》はベルリン・フィルの底力が存分に発揮されておりただただ圧巻だ。晩年はベルリン・フィルとの確執が危惧されたが、ここではベルリン・フィルは完璧にカラヤン美学を体に沁み込ませており、表面的なお化粧とは無縁だ。《浄夜》もCDのような演奏技術の完璧さはないものの弦は歌いまくり叙情たっぷりで聴きごたえ満点。
 
さて、ブラ1は1988年5月の最後の来日公演で演奏したブラ1から5ケ月後の演奏となる。冒頭のティンパニの固い打ち込みだけでも只ならぬ様相を呈するし、より自由で生々しい演奏となっている。演奏もその来日公演よりも引き締まっており神憑り的な気迫が感じられる。ライナーノーツによると、パリからの荷物搬送が遅れたためリハーサルなしで開演時間を1時間遅らせてのコンサートだったことが両者の凝縮力を高めたのかもしれない。前回に朝比奈隆&東京都交響楽団のブラ1を紹介したが、このカラヤン&ベルリン・フィルのロンドン公演と双璧のベスト盤としてこれから長く君臨するんじゃないかと思う。
 
 
 
 
 

聴き比べ:ブラームス交響曲第1番

 
聴き比べをしていくうちに自分の好みにかなりの偏見があることが分かってきた。でも、自分が楽しまなきゃ。第3回はブラームス交響曲第1番。それも朝比奈隆先生の2008年に発売された2枚。東京都交響楽団との1996年4月サントリーホールでのライブ録音と、アフィニス夏の音楽祭祝祭管弦楽団との1998年8月すみだトリフォニーホールでのライヴ録音。どちらも大当たりって感じ!!!
 
    
 
ちなみに私が所有している朝比奈隆のブラ1の各楽章のタイミングを比較しておく。
  • 大阪フィル(1994年)     19’19/9’44/5’32/19’11
  • 東京都響(1996年)     20’17/9’35/5’23/18’50
  • アフィニス(1998年)       20’11/9’20/5’30/19’12
  • 新日本フィル(2000年) 17’01/8’10/4’54/18’00
今回の2枚は朝比奈ブラームスの中でもベストだと思う。どれか一枚と言われたら、録音の優秀さも含めて総合的に都響との1996年の演奏を採る。これだけ渋くて堂々と深みのあるブラームスはめったに聴けない。ティンパニの鼓動も風格がありすぎる程ある。唯一残念なのはオーボエが所々でシドロモドロになっている点。アフィニスの演奏もシカゴ交響楽団員を主要ポジションに配置したスーパーオケで聴き応えある。これを生で聴いたら感動で椅子に縛り付けられていたんじゃないかな。第2楽章のヴァイオリン・ソロの美しいこと。。。ただしこちらはホルン・パートのミスが何ヶ所か気になるし録音がこもりがちなのが残念でたまらない。昨年は朝比奈隆生誕100周年でいろんなCDが発売されたが、ファンとしては是非所有しておきたいCDである。
 
 
 

 


聴き比べ:チャイコフスキー交響曲第5番

 
聴き比べ第2回は、2008年にリリースされたチャイコフスキー交響曲第5番。年末に広上淳一指揮コロンバス交響楽団の同作品についてはコメントしたので、ここでは佐渡裕指揮ベルリン・ドイツ交響楽団とグスターボ・ドゥダメル指揮ベネズエラ・シモン・ボリバル・ユース・オーケストラの演奏を聴く。
 
   
 
なんの因果か・・・既に名盤揃いの同作品の新しいCDなんて買っても期待ハズレが多いのは分かっちゃいるのに止められない。もちろん最新録音の方が音質がいいのに決まっているのだが、それ以上の感動をもたらせてくれるかどうかだ。聴いた感想としてまず、佐渡ヤンはオケは上手いしセッション録音だけあって音もいい。でもそれ以上何もなかった。いつまでたっても主張が見えなかったのが残念。これならオケの技術に問題あるものの広上淳一の方が筋が通ってる。一方、ドゥダメルは凄いよ、コイツ。12月に緊急来日公演があったのに行けばよかった・・・全身から音楽する悦びをオケと一緒になって表現している。解釈に硬いところはあるもののこれこそが主張なんだと思う。佐渡ヤンの人気取りモードと違い真剣勝負さがヒシヒシと伝わってくるよ。
 
 
 
 
 

聴き比べ:マーラー交響曲第6番

 
新年からゴルフもなくノンビリしながら相当数CDを聴いたなぁ。これから暫くはその聴き比べをご紹介。まずはマーラー交響曲第6番。"悲劇的"と呼ばれるこの作品に2008年は歴史に残る名演が3種類リリースされた。ヴァレリー・ゲルギエフ指揮ロンドン交響楽団(2007年11月ライブ録音)、デイヴィッド・ジンマン指揮チューリヒ・トーンハレ管弦楽団(2007年5月セッション録音)、そしてベルナルド・ハイティンク指揮シカゴ交響楽団(2007年10月ライブ録音)の3枚だ。いずれもSACDでマーラーの大曲にピッタリ。
 
   
 
 
どれも甲乙つけがたい名演なのだけど、自分の好みはゲルギエフの野蛮さをも感じさせる演奏かな。第1楽章から少し早めのテンポを取りそれでいて細部は明快で雄弁だ。ゲルギエフの鋭い感受性がもたらした成果と言えよう。一方、ジンマンはトーンハレの見事な弦セクションの実力発揮で、どこにも暗さがなくすっきりしていて新しいマーラー交響曲解釈と言ってもいい程。ハイティンクは重鎮らしい終始遅めのテンポでじっくりとマーラーと対峙している。シカゴ響との黄金時代の幕開けを感じさせる。
 
ゲルギエフとジンマンが国際マーラー協会全集版の2003年改訂に基づきアンダンテ・モデラートを第2楽章に置いた(言い換えると、スケルツオが第3楽章)のに対して、ハイティンクは旧来の配置となっているところも興味深い。
 
ああ、それにしてもこれだけ一流の指揮者とオケで何不自由なくマーラーの大曲が聴けるようになった今の時代に感謝したい。
 
 
 
 
 
 

ベルリン・フィルのデジタル・コンサート・ホール

 

正月休みに何冊か読んだ本の中で、「クラウド化する世界」(ニコラス・G・カー著)が興味深かった。グーグルやアマゾンなどの新しいWeb2.0のビジネス・モデルを取り上げながらワールドワイド・コンピュータを前にして人間に対する警告も忘れない。クラシック音楽の世界もWeb2.0化してきた。あのベルリン・フィルが本拠地ベルリン・フィルハーモニー・ホールでの定期演奏会をインターネット世界同時配信すると発表した。その名もデジタル・コンサート・ホール

関連ニュースはコチラ: 演奏会をネットで生中継 1月からベルリン・フィル – MSN産経ニュース

第1回はドイツ時間1月6日のサイモン・ラトル指揮によるブラームス交響曲第1番他のコンサートが予定されている。時差があるから日本の夜中になるけど申し込んでみようかな。ラトル&ベルリン・フィルは昨年11月の来日時にブラームス交響曲チクルスをやった。残念ながらチケットが手に入らなかったけど、なんとブラームス交響曲第1番がCD発売(9月に全集として発売予定)に大幅に先駆けてオンライン配信しているではないか。早速iTnes Storeで600円で購入。これは安い!!! 録音データなど詳細は付いていなかったのが残念だが演奏はホンマ物。渋みよりも見通しのよさが際立った演奏で録音もダイナミックレンジが広く素晴らしい。例えば、第一楽章序奏部でコントラバスとコントラファゴットのC音のオルゲルプンクトがここまで克明に聴こえる演奏はめったにない。ラトルらしい抑揚の効いた美しいブラームスを味わえる。

 

今後クラシック音楽界も光ネットワーク技術を活用して離れた場所での協奏曲の協演が実現したりするかもしれない・・・
 
 
 
 
 

ハワイでの年末年始

 
年末年始を家族と共にホノルルで過ごした。4泊6日と窮屈なスケジュールだが、息子と一緒にスキューバ・ダイビングを2本、家族全員でテニス、そして長女と人生初のスカイ・ダイビングに挑戦した。スキューバではインストラクターのポールさんの日本語に大爆笑。1本目に海ガメをパッチリ拝めた。写真はポールさんが撮ってくれたもの。 (ご本人から転載の許可をいただいています。)
 
   

 
食事もいろいろと行った。まず成田空港で食べただし茶漬け えん。これは美味い。サラサラっと出国前に腹ごしらえ。 ハワイ初日はこれまで何度も来てたのに気づかなかったイタリアンと中華のフュージョン料理Ciao Mein。牛肉のカルパッチョにビックリ。カリフォルニアのサンタ・リタ・ヒルズのシャルドネ、Foleyは普段は飲まない家内も長女も料理にピッタリで大喜びだった。テーブルに置いてあるオイル&ヴィネガーのお洒落な容器は、ヴィネガーがぶどうの形に浮かび上がる。お土産でも40ドルで売っているので買った。 遅いブランチで行ったのがCream Pot。若い女の子に人気だったパンケーキ店「エッグスン・シングス」のオーナーが変わり、新しくオープンしたお店。マグロとアボガドのエッグ・ベネディクトの口当たりが心地よい。 お寿司ならマリオット・ホテル内のSansei。ここのアペタイザーと創作寿司は前回のハワイ旅行で実証済み。サクサク&カリカリのサーモン・スキン・ロールは今でも世界一だと信じている。 最終日はハワイに来たら必ず立ち寄る焼肉HIROSHI。DFSの目の前にある。カルビもハラミも塩タンもとにかく肉がウマイ。店員さんのキビキビしたサービスも心地よい。 焼肉でお腹一杯になった後はニューイヤーのカウントダウン・パーティーにモアナ・サーフライダー・ホテルへ。プールサイドから花火で新春のお祝い。
 

 
 
今回はハワイ旅行で一番ビックリしたのは指揮者の小澤征爾さんとアラモアナ・ショッピングセンターで会ったこと。メーシーズで買い物してたら息子が「あれっ、オザワセイジだ!」と言う。まさかと思ったら、息子がいきなり「ご無沙汰デス。」って変な挨拶して。息子が幼稚園の頃ニューヨークに住んでいた時にタングルウッド音楽祭で初めて聴いたオザワ&ボストン交響楽団を覚えていたらしい。今はロックばかりの息子だが父親がいつも聴いているクラシックのことも少しは覚えてくれていたことが嬉しい。気持ちよく写真にもサインも応じてくださった世界のオザワ。「去年サイトウ・キネンで幻想交響曲聴きました。」と言ったら、「ありがとう。」って。その気さくさがオザワの音楽の原点なんだろうな。ますますファンになってしまった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

A Happy New Year

 
新年明けましておめでとうございます。
2009年が皆様にとって素晴らしい年でありますように・・
 
     
 
昨年を振り返ると・・・ 鑑賞した演奏会が18回、自分で出演したコンサートが5回、ゴルフは例年より少なめで12ラウンドだった。それから、行きつけの横浜西口豚足料理の店「味珍」には69回、でも常連と呼ばれるには年間100回は通わないと。それから買ったCDは、うーんと数えてないけれど軽く100枚は越していただろう。買っても封を切らずそのまま眠っているCDもあるので大反省だ。。。このオヤジ買いの癖がうちの家内の怒りを買う原因なので今年は(極力?)控えたい・・・
 
今年は、じっくり落ち着いた毎日を送りたいと願う。もちろん、音楽、ゴルフ、飲み会、旅行、そして仕事で自分の納得感のある毎日にしたい。昨年までは毎日短い日記をコマめに手帳に書きとめていたけど今年はやめとく。あまり過去に拘らず前を向いて生きたいから。と同時に書くのがおっくうになったからでもある。鈍感力を今年のテーマにしようとも思っている。このブログも更新ペースが年後半からめっきりと落ちてしまったが、マイペースで自分のためにも記録していこうと思う。
 
今は家族旅行でハワイに来ている。天候にも恵まれスキューバ・ダイビング、テニス、そして明日は人生初のスカイ・ダイビングにも挑戦予定。毎日ウマイもん食ってメタボ街道まっしぐら。ハワイの様子は次回に報告したい。帰国後新年最初のお役目(?)は愛媛県立松山東高校の同窓会報への執筆だ。2000字、テーマは何でもいいとのことなので残りの正月休みで酒でも飲みながら綴ってみることにする。